4日の日経平均は166円高の17,887円でした。引き続き、堅調な相場が続くと予想しています。今日はテクニカル指標から投資候補を探す方法を、ご紹介します。

(1) テクニカル指標は何を使ったらよいか?

よく聞く質問ですが、一言で答えられません。非常に多くのテクニカル指標がありますが、それぞれ長所短所があって、何が一番良いと単純に言えないからです。

私は「自分にとって使いやすいものを使えばいい」と考えています。私は、ボリンジャーバンドが最も使いやすいと思っていますので、今日はボリンジャーバンドを使った銘柄の選択方法をご紹介します。

(2) ボリンジャーバンドとは何か?

今日は、25日移動平均線からの株価の乖離を測るボリンジャーバンドについてのみ、お話します。

株価が、25日移動平均線よりも「2標準偏差」上にある状態を、ボリンジャーバンドで「+2」と定義します。「+2」とは、短期的に株価が勢いよく上がっている状態を指します。逆に、「-2」とは、株価が25日移動平均線よりも「2標準偏差」下にある状態を指します。

ボリンジャーバンドの値 意味 トレードへのサイン
+2 短期的に急騰 上昇初期ならば買い
上昇末期ならば売り
±0 株価変動が乏しい なし
▲2 短期的に急落 下落初期ならば売り
下落末期ならば買い

(3) 今日、ご紹介する銘柄選別方法

ボリンジャーバンドを使った戦略はいろいろあります。相場環境によっても使うべき手法は異なります。今日ご紹介するのは、今の相場の流れにあっていると私が考える方法です。

最近、株式市場で、バリュー株の上昇が目立っています。過去1年、あまり人気がなかったが、過去1カ月、人気が出てきて株価上昇率が高くなってきている銘柄が増えています。今日は、そのような銘柄のスクリーニング方法をご紹介します。

マーケットスピードで、楽天証券スーパースクリーナーをお使いの方は、以下の条件を入力すると、スクリーニングができます。

  • ボリンジャーバンド +1以上
  • 25日移動平均線からの乖離 +8%以上
  • 過去1年の値上がり率 +15%以下
  • PER(株価収益率)予想 15倍以下
  • コンセンサスレーティング 3.5以上

①②は、短期的に勢いよく上昇している銘柄を選ぶための条件です。③は、過去1年間の上昇率が日経平均より低いことを条件とするものです。①~③を組み合わせることで、過去1年間人気がなく、直近1カ月で急に人気が出てきた銘柄が、スクリーニングされます。

④は大切な条件です。株価がPERで見て割安という条件を入れています。

⑤は証券会社のアナリストの推奨の平均を見ているものです。担当アナリスト全員の評価の平均を見ています。各アナリストの推奨を、買いは5、中立は3、売りは1として集計して、平均値が3.5以上のものを選んでいます。つまり、アナリストの推奨(平均)が売りのものを避け、アナリストが、やや強気または買いと言っている銘柄を選ぶようにしているのです。

スクリーニング結果:12月4日時点

コード 銘柄名 株価:円 ボリンジャーバンド PER:倍 コンセンサスレーティング
4008 住友精化 826.0 1.65 10.81 3.5
4041 日本曹達 699.0 3.24 14.22 3.5
4997 日本農薬 1,503.0 2.44 14.33 3.8
5108 ブリヂストン 4,264.5 2.13 10.84 4.2
5196 鬼怒川ゴム工業 541.0 3.17 7.91 4.0
5932 三協立山 2,216.0 2.66 7.89 4.0
6135 牧野フライス製作所 913.0 1.58 12.91 4.0
6794 フォスター電機 2,232.0 2.02 13.62 3.8
7259 アイシン精機 4,465.0 1.84 13.68 3.7
7438 コンドーテック 796.0 2.30 10.00 5.0
9069 センコー 565.0 1.99 9.68 3.5
9101 日本郵船 346.0 1.81 14.56 4.2
9957 バイテック 963.0 1.91 9.89 4.0

(出所)楽天証券スーパースクリーナー

この表に掲載されているのは、テクニカル分析を重視した上で抽出された銘柄です。スクリーニング手法を説明する目的で掲載するもので、個別銘柄を推奨する意図はありません。投資判断はご自身でしていただきますよう、お願いいたします。