先週の日経平均は、1週間で102円(0.6%)上昇し17,459円となりました。原油が急落した恩恵を受ける空運株(日本航空(9201))や海運株(日本郵船(9101)・川崎汽船(9107))の上昇が目立ちました。
今週の日経平均も、引き続き、堅調と予想します。日経平均は、年末に18,000円、来年3月に19,000円まで上昇する予想を継続します。
(1)今週も堅調と予想する3つの理由
- 日経平均の短期的な過熱感が徐々に解消してきたこと
- 原油下落・米景気好調・円安進行など日本の景気に追い風が吹き始めたこと
- 米景気好調でもドル金利は上昇しにくいこと
日経平均日足:9月1日~11月28日
短期的な過熱感は徐々に解消しつつあります。上の日経平均日足をご覧ください。
日経平均の短期的な過熱感を測る指標として、25日移動平均線とのかい離率が注目されます。10月末から日経平均は急騰し、11月中旬には上方乖離幅が大きくなり過ぎました。上昇ピッチが速すぎたために、過熱感が高まりました。
ただし、11月後半の日経平均がもみ合いに転じたため、11月末には25日線との上方かい離幅は縮小し、短期的な過熱感は徐々に解消しつつあります。
もう1つ、テクニカル分析で注目できるのは、11月の日経平均が下値切り上げ型のもち合いとなっていることです。グラフ中の2本の水色の線をご覧ください。11月中旬に過熱感が出て17,500円辺りで上値が抑えられていますが、下値は11月いっぱい着実に切り上がってきています。上値トライが期待できる状況になってきたと思います。
(2)原油価格下落・米景気好調・円安進行が、国内景気に追い風
アメリカがシェールオイルの増産を続けていること、OPEC総会で原油減産の合意ができなかったことを受け、先週は原油価格が急落しました。高いエネルギー価格に苦しむ日本に追い風です。
原油先物(ニューヨ-クWTI期近)の推移:2014年4月1日~11月28日
(3)国内景気は薄日がさしてきているが、まだ回復は鈍い
先週、発表になった日本の景気指標は、まちまちの内容です。10月の鉱工業生産指数は前月比+0.2%と2カ月連続でプラスですが、まだ回復は弱いです。
鉱工業生産指数(前月比):2013年1月~2014年10月
CPI(コア指数)の前年比伸び率は、1%を割れました。足元の国内景気が低調であることが影響しています。
全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコア)前年比変化率
(出所:総務省、消費増税の影響は日銀、楽天証券経済研究所が作成)
(4)米景気が好調で、日本の景気に追い風
今週は、雇用統計(5日発表予定)やISM製造業景況指数(1日発表予定)など、米景気の重要指標が多く発表になります。また、米クリスマス商戦の趨勢が見え始めます。クリスマス商戦は好調、米景気は強いことを示唆する内容になると予想しています。それが、日本経済にも恩恵をもたらします。
米景気が好調でも、それで米長期金利が上昇し、アメリカで早期利上げ懸念が台頭すると、世界の株式市場にマイナスに作用します。ただし、今のところそれは心配しなくてよいと考えています。ドル高と原油安の効果で、アメリカのインフレ率が落ち着いているからです。世界的なデフレ進行もあり、ドル金利が上昇する環境にありません。米景気が好調にもかかわらず、米金利が上昇しない環境は、世界の株式相場にとって理想的といえます。
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