株式投資の代表的スタイルは、2つあります。1つは成長株投資、もう1つは割安株投資です。今日は、割安株投資の考え方について、お話します。

(1)成長株投資こそ株式投資の醍醐味、と考えている方へ

私も、成長株投資は大好きです。毎期、最高益を更新し続け、3年くらいで利益が2倍以上になり、株価も2倍以上になる銘柄を見つけたいと、いつも目を光らせています。

成長株は、多くの場合、人気株です。高成長株として有名な銘柄は、既に株価が大きく上昇した後であることが多い。短期のディーリング対象としては、それでもいいですが、長期投資対象としてじっくり買っていくには向きません。できれば、みんながまだ気づいていない高成長株を人気が出る前に見つけ、割安なうちに投資したいと思います。それは、なかなか難しいことです。

そこで、考えていただきたいのは、割安株にも分散投資することです。

(2)割安株投資の醍醐味

「人の行く裏に道あり花の山」。これは、有名な株式投資の格言です。お花見で人が大勢いるところを避けて裏道を行ったら花がたくさん咲いている場所に出られたという話がもとになっています。株式投資で人気のない割安な株を買っていった方が、往々にしてよいリターンを得られるという意味です。

割安株投資を行うには、まずは、株価が割安であることを判断する基準を持たなければなりません。割安を判定する代表的な株価指標は3つあります。

  • 配当利回り

    <1株あたりの予想配当金>÷<株価>で計算します。たとえば、1株当たりの年間配当金が30円で、株価が1000円ならば、配当利回りは3%です。1株あたりの配当金が変わらないで、株価が下がると、配当利回りは上昇します。1株あたりの配当金が30円の例で、株価が1000円から900円に下がると、配当利回りは3%から3.3%に上昇します。予想配当利回りが高いほど、株価は割安と言えます。

  • PER(ピーイーアールと読みます。パーと読む人もいます。株価収益率のこと)

    <株価>÷<1株当たりの当期純利益>で計算します。値が低いほど、株価は割安となります。会社が発表している今期予想利益から計算するのが普通ですが、アナリストや調査機関の予想利益から計算することもあります。

  • PBR(ピービーアールと読みます。株価純資産倍率のこと)

    <株価>÷<1株当たりの株主資本>で計算します。値が低いほど、株価は割安となります。日本にはPBRが解散価値といわれる1倍を割れている銘柄がたくさんあります。詳しい説明は、後を参照してください。

楽天証券スーパースクリーナーを使って、予想配当利回りの高い株、PERの低い株、PBRの低い株を、スクリーニングしてみてください。割安株は、往々にして不人気株です。

でも、皆様の目で見て、「こんないい会社がなんでこんなに割安に放置されているのか?」と思う株に、出会うこともあります。何らかの理由で投資家に人気がないから、割安になっているのです。ぜひ、そうした銘柄へ長期投資してみてください。急がば回れ。

<参考>PBRを理解するためのイメージ図

PBR1倍とは

PBR3倍・PBR0.7倍の意味

成長が期待される株は、PBR3倍に買われることもあります。赤字を出し続けて、企業価値を損なう懸念のある株は、PBR0.7倍(解散価値を言われるPBR1倍割れ)になることもあります。