2009年6月本決算はコア利益が6.7%増、不動産販売・賃貸ともに堅調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00083 信和置業(シノ・ランド) 15.26 HKD
(09/10現在)
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信和置業の2009年6月本決算は、コア純利益が前年同期比6.7%増の36億HKドルと、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。同期には保有有価証券の評価損や減損損失を計上したが、それでも新築マンション「The Palazzo」の販売による収益の伸びや賃料収入の18%増を背景に、コア純利益は小幅に増えた。BOCIは財務の健全性や分譲収益の力強い伸びを理由に目標株価を上方修正し、同社株価の先行きに対する慎重な見方を中立的に引き上げている。

同社の開発用地保有面積は期末時点で490万平方フィート。香港での分譲不動産の完工面積は120万平方フィート。6月期の不動産販売利益は76%増の29億HKドルに達した。主に分譲マンション3件「The Palazzo」「Vista」「One Madison」の貢献によるもので、不動産販売部門の粗利益率は44.6%。また、同社はすでに馬鞍山に開発している新築マンション「Lake Silver」の85%を予約販売済みであり、「Hermitage」および大埔区画の完工時期を先送りした影響をある程度吸収できる見通しとなった。「Hermitage」の完工予定は2011年度(当初予定は10年度)、大埔区画の完工予定は2012年度(当初予定は11年度)となる。一方、最新の物件完工スケジュールをみると、09年度に230万平方フィートだった完工面積は、この先やや縮小する見込み。10年度には190万平方フィート、11年度には120万平方フィートが予定されている。BOCIは10年度の不動産販売部門の通期利益のうち、すでに61%分を確定させたとの見方を示している。

香港における同社の投資不動産用の保有地は6月末時点で1080万平方フィート。6月期のグロス・ベースの賃料収入(系列会社を含む)は前年比18%増の22億6600万HKドルに達した。Olympian City1および2、Exchange Tower、The Hennessy Citywalk2、さらに「The Palazzo」「Vista」の小売スペースなど、新規物件を除外した場合の賃料収入は12.8%増。BOCIは、同社が香港と中国本土に計56万平方フィートの投資物件を新たに加えたことで、10年度の賃料収入(ネット・ベース)が前年比13%の伸びを示すとみている。

一方、BOCIによると、同社の財務は健全。具体的な数字を見ると、純負債額は期末時点で99億HKドル、負債比率(対自己資本)は16.5%。系列会社の債務76億HKドルを加えた場合には、純負債額が175億HKドル、負債比率が29%。BOCIは今年11月の「Lake Silver」完工に伴う残りの販売代金の回収で、負債比率が今後一段と低下するとみている。また、期末時点の現金保有高は86億HKドル、未使用の与信枠は58億HKドル。同社は144億HKドルの資金を手元に保有していることになり、BOCIは業務上の必要性に十分対応できるとしている。