6日の日経平均は、74円上昇して16,937円となりました。目先は、日経平均16,500-17,000円の値固めという見方を継続します。

今日は、次の上昇局面に備えて投資する参考銘柄について、コメントします。今日は、保有する不動産に含み益が存在し、買収価値から見て割安な銘柄をご紹介します。

(1)2013年3月に金融緩和期待で急騰して以降、材料出尽くしで調整中の含み資産株

日本には保有する賃貸不動産に大きな含み益がある企業が多数あります。賃貸不動産の含み益の7割を自己資本に加えて計算した実質PBRが低い12社は、以下の通りです。

実質PBRが低い12社

  コード 銘柄名 産業分類 含み益:億円 PBR:倍 実質PBR:倍 PER:倍
1 9302 三井倉庫HLDG 倉庫 1,052 0.84 0.39 25
2 9304 澁澤倉庫 倉庫 373 0.81 0.47 20
3 7404 昭和飛行機工業 輸送用機器 680 1.22 0.48 38
4 9401 東京放送HLDG 放送 1,502 0.70 0.55 19
5 3201 日本毛織 繊維 463 0.86 0.61 19
6 9101 日本郵船 海運 595 0.69 0.65 15
7 5803 フジクラ 電線 607 0.81 0.68 15
8 9303 住友倉庫 倉庫 543 0.85 0.68 18
9 8806 ダイビル 不動産 1,087 1.09 0.70 34
10 9119 飯野海運 海運 608 1.21 0.72 13
11 8864 空港施設 不動産 111 0.89 0.77 28
12 9301 三菱倉庫 倉庫 1,801 1.24 0.82 37

(注:各社有価証券報告書より、楽天証券経済研究所が作成、連結PBR・PERは11月5日時点)

(2)含み資産株は、2013年3月に急騰して以来、調整中

<三井倉庫HLDGの株価推移:2013年1月~2014年11月5日>

賃貸不動産に大きな含み益があって、株価が買収価値から割安な銘柄は、

  • 2013年1-3月に日銀の金融緩和期待から、大きく上昇しました。
  • ところが、実際に「異次元金融緩和」が実施された2013年4月以降は、材料出尽くしで売られていました。
  • 2014年10月31日に日銀がサプライズ(驚き)となる追加金融緩和を発表してから、再び、上昇機運にあります。

 このような割安な含み資産株について、見直し機運が出てきていると考えています。

(3)大都市不動産の空室率低下が続く

<東京都心5区 空室率(%)>

(出所:三鬼商事)

東京都心の不動産市況に上昇機運が出つつあります。三鬼商事によると、都心5区(千代田・中央・新宿・渋谷・港区)賃貸不動産の空室率は9月末に前月比0.37ポイント低下して5.65%になりました。

<参考>PBRとは

株式時価総額が自己資本の何倍か計算したもの。株式時価総額が自己資本よりも小さくなると、PBRは1倍を割れる。

<PBR1倍とは>

<PBR3倍・PBR0.7倍の意味>