今日の日経平均は大幅続伸が見込まれます。11月3日のNY市場で一時1ドル114円まで円安が進み、CME日経平均先物(円建て)が日本時間11月4日午前6時25分現在、17,340円まで上昇しているからです。

先週の日経平均は、1週間で1,122円上昇して16,413円となり、年初来高値を一気に更新しました。次々とサプライズ(驚き)を伴う日本株の買い材料が飛び出した1週間でした。今週も、さらに上値を追う展開が予想されます。 外国人の日本株買いが増加すると予想しています。

(1)先週、飛び出した日本株の買い材料

  • 日銀が追加金融緩和を発表
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式の組み入れ比率を25%へ引き上げる方針を発表
  • 1ドル112円台まで円安急進
  • 世界的に株が反発、NYダウは31日に最高値更新
  • アメリカの景気が好調であることを再確認(アメリカFOMC声明文、米7-9月GDP速報値)
  • 日本の景気に持ち直しの兆し(9月の鉱工業生産指数)

(2)最大の買い材料は、日銀の追加緩和

追加金融緩和が発表された31日に日経平均は755円上昇しました。為替は一時1ドル112円台まで円安が進みました。また、日銀の追加緩和を好感して世界中の株が上昇しました。NYダウは、31日に最高値を更新しました。

経済対策よりも株価対策の方が、株価上昇に効くと言います。今回、まさにその通りでした。日銀の追加緩和には、直接株価を押し上げる効果があります。

今回、日銀が買い取り増額を発表したのは、以下の3つです。

  • 長期国債の買い取り額:年間50兆円→80兆円(30兆円増)
  • ETF(指数連動型の上場投資信託):年間1兆円→3兆円(2兆円増)
  • REIT(上場不動産投資信託):年間300億円→900億円(600億円増)

ETFには日本株連動型が含まれるので、日銀が直接買い付ける株式の額が増えます。また、REITの買い取りを増やすことで、不動産価格の押し上げ効果もあります。さらに、長期国債の買い取りを増やすことは、間接的にGPIFが国債を売って株の投資を増やすことを支援する効果もあります。

需給面で一番効果が大きいのは、外国人が日本株を見る目が変わるということです。日銀が大規模な追加緩和を出して、強引に景気回復を軌道に乗せようとしているのを見て、10月前半に日本株を約1兆円売り越した外国人投資家は、再び日本株を買い戻し始めています。

(3)GPIFが国内株式の組み入れ比率を25%に引き上げる方針を発表

日銀の追加緩和の次に効果が大きかったのが、GPIFの日本株組み入れ比率の引き上げ発表です。正式発表は31日でしたが、30日の日本経済新聞朝刊にその観測記事が報道されていたので、30日からGPIFの日本株買いを見越した買いが出ていました。

31日の発表で、基本ポートフォリオの日本株組み入れを12%→25%に引き上げることが発表されました。当初「12%→20%に引き上げることが検討されている」と報道されていましたが、それが最近になって急に25%に引き上がりました。この効果は大きいです。

というのは、GPIFは前倒しで株を買い増ししており、6月末の日本株の組み入れ比率は約17%に上がっています。その後の買い増しと株価上昇による時価増加を勘案すると、私の推定では、足元日本株の組み入れ比率は20%まで上昇しています。

12%→20%への日本株の増額ならば、基本ポートフォリオの発表と同時に「既に20%まで組み入れは引き上がっています」となる可能性がありました。GPIFは約130兆円の運用資産を保有しますので、25%まで日本株の組み入れを増やすならば、あくまでも推定ですが、今後さらに5~6兆円の日本株買い需要が発生することになります。

(4)企業業績の上ぶれ余地高まる

1ドル114円台まで円安が進んだことで、今期の企業業績の上ブレ期待がさらに高まりました。日本の輸出企業の競争力は一段高まります。原油価格が下落したことによって、円安によるエネルギーコストの上昇も抑えられる見込みです。

来年3月に日経平均が18,000円へ上昇する予想を継続します。