これから本格化する9月中間決算の注目が高まっていますが、今日は、一足先に発表が終わっている2月決算小売業の8月中間決算(3月~8月までの6ヶ月)状況を報告します。

(1)2月決算小売主要9社の8月中間決算での営業利益

(金額単位:億円)

  コード 銘柄名 業態 上期実績 前年比 通期予想 前年比 進捗率
1 2670 エービーシー・マート 234 23.5% 406 19.0% 57.6%
2 9843 ニトリHLDG 家具 374 20.4% 650 3.1% 57.5%
3 7453 良品計画 無印良品 116 19.7% 255 21.9% 45.5%
4 2651 ローソン コンビニ 400 12.3% 750 10.1% 53.3%
5 3086 J.フロント リテイリング 百貨店 184 2.7% 430 2.8% 42.8%
6 3382 セブン&アイHLDG コンビニ・スーパー 1,672 1.6% 3,560 4.8% 47.0%
7 8227 しまむら 衣料品 191 -13.1% 457 9.2% 41.8%
8 8028 ファミリーマート コンビニ 214 -15.8% 400 -7.6% 53.5%
9 8267 イオン スーパー 433 -41.2% 2,000 16.7% 21.7%

(出所:各社資料より楽天証券経済研究所が作成)

(2)引き続き、専門店が強く、大手スーパーは一段と悪化

上期(3~8月の6ヶ月)実績で、前年比増益率の高い順に、並べてあります。上期は、3月が消費税引き上げ前の駆け込みで全般に売り上げが膨らみ、4月~8月は増税後の反動で売り上げが低下しました。表を見ていただくとわかる通り、競争力の差が上期の増減益率に顕著に表れました。引き続き、専門店のエービーシー・マート(2670)、ニトリHLDG(9843)、良品計画(7453)が好調でした。大手スーパーが一段と悪化しました。イオン(8267)はネガティブ・サプライズでした。百貨店のJ.フロント リテイリング(3086)は堅調といえます。

セブン&アイHLDG(3382)は、強いコンビニ(セブン・イレブン)と弱いスーパー(ヨーカ堂)と回復中の百貨店(西武)の組み合わせで、結果もまだら模様です。セブン・イレブンの強さは際だっています。セブン・イレブンは海外が成長期に入っており、今後が期待できます。

(3)日経平均はここからやや上値が重くなる見通し

27日の日経平均は、97円高の15,388円でした。ただし、15,500円が近づくと上値が重くなると考えています。詳しくは、昨日の本レポートをご参照ください。