2009年4-6月期は前期比167%増益に、利益率と需要の拡大が要因

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00903 冠捷科技(TPVテクノロジー)  4.30 HKD
(09/02現在)
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TPVテクノロジーは2009年4-6月期に前四半期を167%上回る利益を計上。市場コンセンサスおよびBOCIの予想を上回った。出荷の回復と利益率の拡大が大幅増益をもたらした。4-6月期の出荷台数は、液晶モニターが前四半期比13%増の1080万台、液晶テレビが同32%増の190万台。中国市場のほか、米国における液晶テレビの需要が予想以上に好調だった。09年1-3月期後半にパネル価格が上昇したことで、4-6月期はモニターおよびテレビの平均販売価格が前期をそれぞれ2%、12%上回った。また、価格動向とコスト削減が奏功し、4-6月期の粗利益率は2006年以来最高の6.6%に達した(1-3月期は4.6%)。

09年上期の営業キャッシュフローは2008年の3億7300万米ドルから6億2400万米ドルに増加。バランスシートの改善もみられた。さらに棚卸資産回転日数は08年上期の46日から39日に短縮。同社のネットキャッシュポジションは1億2900万米ドルと高水準にある。

世界の液晶パネル出荷は09年7月も増加傾向を保っている。7月の液晶モニター出荷台数は前年同月比26%増の1790万台(6月は1800万台)。液晶テレビは前期比3%増、前年同期比69%増の1350万台だった。ピークシーズンに入るため、BOCIはTPVの7-9月期の出荷台数について、液晶モニターが前期比15%増の1190万台、液晶テレビが同45%増の280万台と予想。10-12月期については、液晶モニターが前期比10%減、テレビが5%増と減速を予想している。09年通年の予想出荷台数は、液晶モニターが4420万台、液晶テレビが910万台。

需要の拡大と日本で起きた地震による生産ラインへの影響で液晶パネルの価格が上昇。一部メーカーは7-9月期のパネル確保が困難になると懸念されている。ただ、TPVのような大手はこの機会に一層シェアを伸ばすとBOCIは指摘。パネル調達量の多さから、サプライヤーとの契約価格や供給優先度で同社は競合他社を圧倒しているという。パネル価格は、供給の安定に伴い8月をピークに年末に向かって緩やかに下降する見通し。下期には為替差益も縮小するとみられ、販売価格への圧力となるもようだが、需要拡大により出荷台数は上向きにあるため、粗利益は上期の1億7600万米ドルから2億600万米ドルに上昇するとみられる。

4-6月期の業績を考慮し、BOCIは同社の2009-10年予想利益をそれぞれ39.8%、6.0%上方修正した。また、テレビ製造のアウトソーシング傾向と今後の需要拡大を見込み2008-11年のEPS年間平均成長率を13.4%とした。2010年にはマイクロソフトの新OS「Windows 7」が法人向けデスクトップPCの買い替え需要を喚起するとみられ、この恩恵も期待できる。BOCIは同社の株価の先行きを強気の見方に維持している。