16日の日経平均は335円安の14,738円でした。世界同時株安が進む中、日本株も外国人投資家の売りで、急落しました。
(1)日経平均急落、3つの背景
<1>世界景気への不安
- ヨーロッパ経済への不安の高まり
- 日本は4月~8月にかけて「ミニ景気後退」
- 新興国(中国・ロシア・ブラジル・・・)の景気停滞が長期化
- 好調アメリカ景気に減速懸念?
<2>世界的に「リスク・オフ」広がる
- 世界同時株安
- 為替は、円高に
- 原油価格が急落
- デフレ懸念で日米欧の長期金利が低下
<3>さまざまな不安が重なる
- 世界各地で地政学的リスクが高まる
- エボラ出血熱の感染拡大
(2)ここが日経平均の買い場と判断する理由
日本は10月以降、「ミニ景気後退」を脱し、景気・企業業績のゆるやかな回復が続くと予想しています。これから始まる9月中間決算の発表では、今期(2015年3月期)の業績見通しを上方修正する企業が増えると予想しています。日経平均急落させた要因の今後について、以下の通り、予想します。
<1>世界景気の見通し
- ヨーロッパは景気後退に陥る可能性が高い
- 日本は10月以降、「ミニ景気後退」を脱し、ゆるやかに回復へ
- 新興国(中国・ロシア・ブラジル・・・)の景気停滞は長期化
- アメリカの景気は、好調を維持
<2>世界的な「リスク・オフ」の影響
- 世界同時株安 → 世界的に株は割安でパニック売りは徐々に収まると予想しています。
- 為替は、円高に → 1ドル105円くらいまでならば日本経済へのマイナス影響は限定的
- 原油価格が急落 → 日本経済にはメリット
- デフレ懸念で日米欧の長期金利が低下 → ドル金利低下は、世界の金融市場にとってプラス
<3>さまざまな不安について
- 世界各地で地政学的リスクが高まる → 不安は続く。ウクライナ内戦が欧州・ロシア経済に与えるダメージは大きいが、日本への影響は大きくない
- エボラ出血熱の感染拡大 → 不安は続く。世界経済に与える影響は限定的
(3)日本が10月以降、ゆるやかな景気回復に向かうと考える理由
以下の5つの要因が、回復に寄与すると予想しています。
- 円安効果
円安によって日本経済が競争力を取り戻した効果が続きます。設備投資の国内回帰の動きが出ると考えています。過度な円安は日本経済にマイナスの影響もあります。1ドル105円前後は、日本経済にとって程よい為替水準といえます。
- アメリカ景気が好調維持
アメリカ景気は好調を維持すると予想しています。日本経済にとって恩恵が大きい。
- 原油価格急落の恩恵
高いエネルギーコストに苦しむ日本に大きなメリットがあります。ガソリン価格が下がれば消費にプラスの効果があります。ただし、日本には原油備蓄があるので、短期的には効果が出にくいところです。
- 消費増税のマイナス効果は徐々に低下へ
4月の消費増税のマイナス効果が長引いていますが、9月以降、徐々に低下していくと予想しています。
- 追加の経済対策
追加の経済対策が打ち出される可能性が高まったと考えています。追加の金融緩和が実施される可能性もあると思います。
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