2009年6月中間決算は7%減益、石油精製製品の値上げで製油部門は黒字転換

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気(ペトロチャイナ)  8.81 HKD
(08/31現在)
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ペトロチャイナが発表した2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比7%減の505億元だった(国際会計基準)。探査・生産部門が原油価格の低下を受けて大幅な減益となったが、製油部門の黒字転換と実効税率の低下(25.1%→18.5%)で全体の減益幅は軽微にとどまった。特に4-6月期の純利益は1-3月期比で166%増の315億元に到達。政府による石油精製製品の価格引き上げが3月下旬と6月上旬の2度にわたって行われたことが寄与した。

探査・生産部門の営業利益は前年同期比71%減の376億元。石油の実勢価格が1バレル当たり42.46米ドルと前年同期に比べ55%下落したことが要因。これに対応し、同社は生産コストの高い油田の操業を一部停止して石油生産量を5%削減したが、新規プロジェクト開発の減価償却費が19%増となり利益を圧迫した。

製油・化学部門は前年同期の598億元の営業損失から172億元の営業黒字に転換。特に製油部門が、665億元の赤字から138億元の黒字に復帰した。石油調達コストが大幅に下落した上、主力製品の価格統制が奏功。国内向け製品の利益率が改善した。

マーケティング部門の営業利益は前年同期比3%減の74億元。需要低迷と競争激化により1-3月期の営業利益はわずか16億元だったが、4-6月期には需要が回復し、前期比3.5倍の57億元に急成長した。

天然ガス・パイプライン部門の営業利益は18%増の99億元。ガスの販売量および輸送量が増えた。

ペトロチャイナは親会社の中国石油天然気集団公司(CNPC)から2種類の川上事業および製油事業関連の資産などを買収することで合意。買収総額は220億元。最も重要な買収は、トルクメニスタンのアム川流域の石油・天然ガス資源開発プロジェクトの権益で、買収額は11億9000万米ドル(81億1000万元)。同プロジェクトは2009年末に生産を開始。Trans-Asia Gas Pipelineにとって重要なガスの供給源となる見通し。2つ目は中国南方地域の油田探査事業を行うSouth Oilで買収額は28億1000万元。2008年の同社売上高は10億5000元(内訳は52%が石油、27%がLNG、残りが天然ガス)、利益は5億8600万元だった。3番目は石油化学製品の製造装置62基および関連資産。石油化学事業の製品構成が改善するほか、内部資源の有効活用につながるとしている。

政府による7月下旬の石油精製製品の値下げが石油化学製品の利益率に影響するものの、探査・生産部門および化学部門の利益貢献により、下期も好調を維持する見通し。BOCIは向こう3年間の化学部門の業績を60億-70億元の赤字になると予想していたが、これを50億元程度の黒字に見直し、全体の2009-11年予想利益を7-13%引き上げた。株価の先行きについては強気の味方を維持している。