2009年6月中間決算は2.51%減益、融資残高の増加により予想上回る業績

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03988 中国銀行股フン有限公司(バンク・オブ・チャイナ)  3.81 HKD
(08/28現在)
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中国銀行が発表した2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比2.51%減の411億元だった。手数料収入およびその他非金利収入の伸びにより、BOCIが予想した9.4%減益を上回る業績。09年第2四半期の純利益は第1四半期に比べ21.45%増の225億5000万元。第2四半期の預貸利ざや(NIM)はおよそ0.1%低下したものの、融資残高が急拡大し、純金利収入はBOCI予想を1.38%上回った。

中国銀行の外貨業務のNIMについて、下期は外貨貸し出しの需要回復で金利上昇が見込まれるとBOCIは指摘。また、外貨投資証券についても、高利回りの投資が増えることで若干の利ざやの回復を予想している。

人民元建て業務は、割引手形の割合が減る一方、不動産や中小企業向け融資など高利のローンが増えることにより利回りの改善が期待される。また、現在預金金利の見直しが進んでいることから、貸出金利の上昇分を上回る預金金利の低下が見込まれている。

BOCIの推定による中国銀行の不良債権への引当率は09年3月末時点の123.43%から6月末には138.96%に上昇した。同行は下期にさらに引当金を積み増すとみられ、引当率は150%に達する見通し。また、資産内容も上期に大幅に改善されている。不良債権比率は2008年末の2.65%から2009年6月末には1.80%に低下。不良債権額は875億元から775億元に減少した。

中国銀行の09年6月末時点の国内向け人民元建て融資残高は8960億元。2008年末から38.32%増加し、市場シェアを0.88ポイント拡大した。新規獲得契約の多くをプロジェクト融資と中長期の法人向け融資が占めたとみられる。BOCIは同行の今後の方針について、戦略変更と政府の指導に基づき、新規の融資を制限し、割引手形の割合を減らすと予想している。 世界的な景気後退にもかかわらず、同行は09年上期に予想以上の非金利収入を達成した。これは、1)コンサルティングおよびアドバイザー手数料が増えたこと、2)証券投資、特に外貨建ての投資が減少したこと、の2点が理由に挙げられる。今後は富裕層向けの資産管理業務および外貨業務の回復により、同行の手数料収入は四半期ごとに伸びを示すとBOCIは予想している。 これらの点を考慮し、BOCIは同行の株価の先行きを強気の見方に据え置いている。