2009年6月中間決算は12.8%増益、コスト削減と海外事業が貢献

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00494 利豊(リ・アンド・フン)  25.45 HKD
(08/14現在)
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リ・アンド・フンの2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比12.8%増の13億9700万HKドル。売上高は同2.3%減の462億9200万HKドルとなったものの、市場の予想に即した利益を確保した。景気後退により販売単価がおよそ7%低下したことが減収の主な要因だが、販売量の増加が影響の一部を相殺。倒産した取引先からの未収分は、買収による成長で、ほぼ穴埋めした。2ケタ増益は、コスト削減とオンショア事業の成長によるもの。BOCIの推定によると、営業費用の年間削減目標3億3400万HKドルに対し、半期ですでに2億2100万HKドルの削減に成功している。米オンショア事業は利益率7%を達成。欧州のオンショア事業も若干の利益を創出し、コア営業利益率は前年同期の3.2%から3.7%に上昇した。コア純利益率は0.5ポイントアップの3.1%。

同社は前年同期を8%上回る1株当たり0.24HKドルの中間配当を実施する方針。1億2000万株の新株発行により、同社の手持ち現金は31億HKドルに上っている。09年6月現在の負債額は41億HKドル、負債比率は6%だが、向こう6-12カ月以内に手持ち現金を利用して大規模な買収を実施するとBOCIはみており、負債比率はいずれ19-21%に上昇する見通し。

下期には、米リズ・クレイボーンおよび米タルボットの2つの調達契約が貢献を開始するため、増収に転じるとBOCIは予想。さらに、交渉中の買収案件がさらに5%の増収をもたらすと見込んでおり、自律成長が3%減となっても、全体の増収率は7-8%に達するとみている。

経営陣は人材配置の工夫によりさらなる営業費の節減が可能としている。また、米国と欧州のオンショア事業はともに成長し、利益を出しているため、BOCIは利益率予想を引き上げた。2009年のアウトソーシング事業の営業利益率は3%から3.3%に、オンショア事業は4%から5%に上方修正。ただし、オンショア事業の2010-11年予想利益率に関しては、それぞれ7%、8%に据え置いている。

同社の3カ年計画(2008-10年)について、経営陣は未だ目標達成可能としているが、BOCIの2010年予想利益は同社目標値を7%下回る水準にとどまっている。オンショア事業の2010年予想利益率は経営陣の13%に対し、BOCIは7%。

同社は大幅に業績を改善。オンショア事業の先行きについてもBOCIは以前よりも楽観視している。景気が底を打ったことから、状況次第で業績上方修正の可能性も指摘している。2009-10年の予想増益率はそれぞれ43%、35%。2009-11年EPS(希薄化後)の年間平均成長率は31.6%。これらを踏まえ株価の見通しを中立から強気の見方に引き上げている。