30日の日経平均は、28円上昇して15,646円となりました。発表が続く4-6月期決算がおおむね好調であることから、堅調な値動きが続いています。

(1) 30日に第1四半期(4-6月期)決算を発表した主な企業

コード 銘柄名 経常利益(億円) 4-6月進捗率  
4-6月実績 通期予想
9412 スカパーJSAT HLDG 71 175 40% 高い
9706 日本空港ビルデング 29 76 38%
8316 三井住友FG 3,674 11,100 33%
9020 東日本旅客鉄道 1,033 3,410 30%
9433 KDDI 1,947 7,350 26%
7211 三菱自動車工業 326 1,380 24%
6581 日立工機 14 60 23%
6952 カシオ計算機 66 330 20%
3231 野村不動産HLDG 110 550 20%
4901 富士フイルムHLDG 299 1,600 19%
6701 日本電気 ▲ 100 900 ▲11% 低い

(出所)各社決算短信から楽天証券経済研究所が作成。

(注)SEC基準採用企業については連結税前利益を経常利益としている。

  • 日本空港ビルデング(9706)
    訪日外国人の大幅増加で、国際線の免税事業売り上げが好調に推移しました。同社説明によると、4-6月は会社予想を上回る利益を計上することができました。
  • 三井住友FG(8316)
    前年好調であったトレーディング収益の減少を主因に経常利益は前年比▲20%減の3,674億円となりました。ただし、4-6月期に与信コストの戻り益(252億円)が発生したこと等により、通期会社計画に対する進捗率は33%と高くなりました。与信コストについては、会社計画では1年間で1200億円の費用発生と見ていました。ところが、4-6月は252億円の戻り益発生となりました。
    三井住友FG(8316)の29日の株価4,190円は、PER9倍、PBR0.8倍と割安です。第1四半期決算が好調であったことを受けて、株価は反発局面に入ると予想します。
  • 富士フィルムHLDG(4901)
    進捗率は19%とやや低くても、同社説明によると、社内計画は上回って推移しています。
  • 日本電気(6701)
    第1四半期は季節要因で▲100億円の経常赤字ですが、会社説明では損益は会社想定を若干上回って進捗しています。前年同期比では、損益は182億円改善(赤字が減少)しています。

(2) 日経平均の上放れ時期が近づいている

日経平均は、昨年5月以来、横ばいで推移していますが、企業業績が好調であるので、上放れの時期が近づいていると考えています。