24日、7965象印マホービンの株価が46円(11%)高の460円となりました。2014年11月期の経常利益見通しを、35億円から55億円に大幅上方修正したことが好感されました。

(1)消費増税後の売り上げ減少が、想定より小さかったので上方修正

<7965象印マホービンが発表した2014年11月期の業績予想修正>

  新しい予想   修正前の予想
売上高 740億円 710億円
営業利益 50億円 30億円
経常利益 55億円 35億円
当期純利益 31億円 22億円

国内で高級炊飯ジャーの販売が好調であること、アジアで炊飯ジャーやステンレス魔法ビンの販売が伸びることが、業績上方修正につながりました。

国内販売は、3月には消費税引き上げ前の駆け込みで大きく増加しました。4月以降の反動減が、想定より小さかったことを確認して、今回、上方修正を発表したものです。

7965象印マホービンは、日本企業には珍しく11月決算です。上半期(2013年12月~2014年5月)の業績が固まったタイミングでの上方修正となりました。

7965象印マホービンの株価は24日に大幅に上昇して460円となりましたが、それでも株価はPERで10.7倍、PBRで0.7倍の水準は割安と考えます。業績好調な割安株として、ここからさらなる上昇が期待できると私は考えます。

(2)日本企業の2015年3月期業績予想は保守的(低め)、10月ころに上方修正が増えると予想

3月期決算企業が出した2015年3月期業績予想は、保守的(低め)です。例年保守的ですが、今年は4月1日に消費税引き上げがあったので、非常に保守的になっています。4-6月の売り上げ低下は懸念した程ではなく、上方修正含みの企業が多くなっていると思います。

ただし、一般的には、第1四半期(4-6月)が終わってすぐに業績予想を修正する会社は少ないです。2015年3月期の業績予想を発表したのは、5月~6月です。6月までの業績が出てすぐに修正するのは、避けたいと考えるからです。よほど急激に業績が悪化または拡大した場合以外は、業績予想の修正は、中間決算まで出てからにする会社が多いといえます。

(3)2015年3月期経常利益の市場予想が、会社予想を上回る参考銘柄

コード 銘柄名 会社予想
(単位:億円)
前年比 市場予想
(単位:億円)
前年比 市場予想が会社予想を上回る率
1801 大成建設 380 -33.1% 468 -17.5% 23.2%
4661 オリエンタルランド 841 -25.3% 967 -14.2% 14.9%
6594 日本電産 980 15.8% 1,136 34.2% 15.9%
6963 ローム 255 -29.0% 325 -9.5% 27.5%
7203 トヨタ自動車 23,900 -2.1% 26,724 9.5% 11.8%
7205 日野自動車 860 -21.2% 1,110 1.7% 29.1%

(出所)楽天証券スーパースクリーナー 市場予想は6月24日時点のIFISコンセンサス予想