17日、2121ミクシィが値幅制限の上限(ストップ高)まで買われ3,000円(+21%)高の17,040円となりました。一方、日経平均は42円高の14,975円と、15,000円を中心として膠着しつつあります。主力株の上値がやや重くなる中で、小型成長株を積極的に買う動きが続いています。

(1) 2121ミクシィは「モンスターストライク」で収益急拡大

2121ミクシィは、2013年10月に配信開始したゲーム「モンスターストライク」が大ヒット。楽天証券経済研究所の今中アナリストは、6月11日配信のレポートにレーティング最上位の「A」を付与し、目標株価レンジを20,000〜22,000円に設定しています。詳しくは、今中アナリストの会員用レポートをご参照ください(ログインが必要です)。

(2) 小型成長株を買う流れが続く

日本に数々の新たな成長テーマが登場しています。ネットゲーム、交流サイト(SNS)、ネット小売業、ネット金融、格安スマートフォン、次世代ロボット、次世代自動車、iPS細胞、バイオ医薬品、超電導、新エネルギー、新型蓄電池、3D(3次元)プリンター・・・・・・。成長株投資が面白い局面です。ただ、みんなが熱狂する成長株は、急騰急落を繰り返しやすく、投資タイミングがむずかしかったりもします。

新たな成長テーマはほかにも、スマートシティ、国土強靭(きょうじん)化、東京再開発、観光立国、カジノ特区、クール・ジャパン、インフラ輸出、公害防止技術輸出、水ビジネス、宇宙開発、海洋資源開発など、書ききれないほどです。

(3) 小型成長株投資の留意点

小型成長株は、値動きが荒く、機動的な売買が必要です。

典型的な成長企業の利益変動と株価変動の例を見ながら説明していきましょう。

 

(イメージ図)

どんなに有望な成長テーマを抱えた企業にも、黎明(れいめい)期があります。開発や先行投資にお金がかかる割に、利益が上がらない時期です。上の図では黎明期が5年続くことになっています。この時期は、株価が何度も急騰急落を繰り返します。投資家が将来の夢に熱狂して株価を買い上げても、期待するほどの利益はあがらないため、いずれ失望売りが出るからです。バイオ関連などにこのパターンがよく見られます。急騰局面でいったん売却し、急落した後に買い戻すべきだ、というセオリーが当てはまります。

期待通りに急成長期に入ると、利益が急拡大するので、株価も大きく上昇します。2121ミクシィは、今この段階にあると考えています。株価の上昇ペースが速すぎて調整が入る場合はありますが、高い利益成長が続く限り、株価の調整幅は限られます。

注意すべきは、高成長期から成熟期に移行する時期です。増益率が低下すると、たとえ増益基調は変わらなくても成長期待プレミアムがはげ落ち、株価は急落します。2121ミクシィについて言うと、今はまだ増益率が拡大していく局面ですが、来年以降、増益率が鈍化する局面は要注意です。

成熟期に入って急落した成長株が、PER(株価収益率)で見て割安になったところも、投資タイミングとして注目できます。成長株の種類によって異なりますが、PER(株価収益率)で10~15倍まで低下すると、株価は底入れし、低成長なりに利益が伸びることを受けて、株価も安定的に上昇するようになります。

3765ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、ゲーム「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)の大ヒットで2013年5月に株価が急騰しました。しかし、その後は株価調整が続いてきました。2014年に増益率が鈍化すること、パズドラに続くヒット作が見当たらないことから、材料出尽くしとなっていました。しかし、現時点で株価は既に割安(PER13.4倍)になっており、高水準の利益が続くことを考えると、株価に見直し余地があると考えています。