決算発表もピークを過ぎました。あいかわらず、前期(2014年3月期)実績は良いですが、今期(2015年3月期)予想を、きわめて保守的(低め)に発表する企業が多いようです。
(1)金融を含めると、2015年3月期の経常利益は、▲0.1%減益予想
<今期の経常利益、会社予想と市場予想の比較>
(出所)会社予想は各社決算短信、市場予想はIFISコンセンサス予想、
5月15日までに決算を発表した主要企業について楽天証券経済研究所が集計
今週から、大手銀行・保険会社の決算発表が始まりました。集計対象とした金融業8社の、今期経常利益(会社予想)は、▲18.5%の大幅減益となります。ただし、これは市場予想(▲16.9%)と近く、ネガティブ・サプライズではありません。前期に計上された一時的な利益(債券や株の売却益)が今期はなくなることが響きます。
前期は、日銀の異次元緩和で長期金利が急低下(債券価格は上昇)しました。そこで、国債を大量に売却した金融機関が多く、前期の利益を債券売却益が一時的にかさ上げしました。また、株も上昇したので、株の売却益も拡大しました。
今期は、そうした債券や株の売却益を見込まないベースで、金融各社は、大幅減益を見込んでいます。
景気実態をよりよく表しているのは、全産業ベース(除く金融)の経常利益です。このベースでは、今期会社予想で+3.3%を見込んでいます。事前のコンセンサス予想が+13.3%ですから、約10%ポイント保守的(低め)に業績予想が出ていることになります。
(2)5月14日・15日に発表された決算のまとめ
<今期経常利益、会社予想と市場予想の比較>5月14日発表分
(金額単位:億円)
(出所)会社予想は各社決算短信、市場予想はIFISコンセンサス予想
15日は、ソニー(6758)など、業績予想が市場予想に届かなかった企業が売られ、NTN(6472)など、業績予想が市場予想以上だった企業が買われる傾向が見られました。
<今期経常利益、会社予想と市場予想の比較>5月15日発表分
(金額単位:億円)
(出所)会社予想は各社決算短信、市場予想はIFISコンセンサス予想
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。