9日の日経平均は307円安の14,299円と急落しました。この乱暴な売り方は、海外ヘッジファンドの手口と考えられます。3月で終わったと思っていた外国人売りが、恐らくまだ続いているのでしょう。

これで日経平均は、私が下値のメドと考えている14,180円に再び急接近です。私は、この下値支持線は維持されると予想していますが、テクニカル分析では気になる兆候もあります。

(1)日経平均のテクニカル分析

(グラフA)日経平均週足(2013年1月~2014年4月9日まで)

グラフAを見るとわかるとおり、下値支持線と上値抵抗線の間隔が狭くなってきているので、日経平均は引き続き荒い値動きとなりそうです。

私は、日本の景気・企業業績の回復が続くと考えていますので、日経平均は下値支持線を大きくは下回ることなく反発し、いずれ上値抵抗線を上へ抜けていくと予想しています。

ただし、景気や企業業績の予想を抜きにして、純粋にテクニカル分析だけでチャートを見ると、少し嫌な兆候もあります。それは、以下の3点です。

  • 上値抵抗線が下がってきているのに、下値支持線は切り上がっていません。これでは、「日経平均は一度支持線を下に抜ける可能性が出てきた」と言わざるを得ません。
  • 上昇する時よりも、下落する時の方がスピードが速い。昨年10月以降の日経平均の上昇・下落のスピードを見ると、まず10月から8週間で上げた幅を1月から5週間で下げました。その後、3週で上げたものを1週で下げ、さらに2週で上げたものを1週で下げています。これだと、「日経平均14,000円台では、買いの勢いより売りの勢いの方が強い」と言わざるを得ません。

(2)大型優良株から買い

テクニカル面から相場の不透明感はなくなりませんが、私は「ここは買い場」の判断を継続します。相場は短期では需給や材料で動きますが、最後は景気・企業業績によって方向性が決まると考えています。

短期的には下値リスクが残りますが、中期投資の観点からまずJT(証券コード2914)、ブリヂストン(証券コード5108)、クボタ(6326)、三菱電機(6503)、トヨタ(7203)、三井物産(8031)、三井住友FG(8316)、東京海上(8766)、三菱地所(8802)などの大型優良株から買い始めるのがいいと思います。