1-3月の日本株は、外国人投資家が約2兆円売り越したために、下落局面となりました。外国人売りの勢いが一番強かったのは3月10-14日の週です。1週間で約1兆円の売り越しでした。

3月15日以降、外国人投資家の売りが減少する中、国内投資家のバーゲン・ハンティングの買いが入り、日経平均は反発し始めています。4月は外国人売りがさらに減少し、日経平均の反発が続くと予想しています。

(1)今週は、アメリカで重要な景気指標の発表が続く

毎月、第1週は、アメリカで重要な景気指標の発表があります。特に重要性が高いのは、以下の3つです。

  • 3月のISM製造業景況感指数(4月1日発表予定)
  • 3月のISM非製造業景況感指数(4月3日発表予定)
  • 3月の雇用統計(4月4日発表予定)

大雪の影響も薄れてきており、今週出る指標では「アメリカの景気はそこそこ強い」ことが確認されると思います。アメリカの景気が強いことは、日本経済にとっても世界経済にとってもプラスです。株式市場にとっても基本的には好材料となるはずです。

ただし、アメリカの景気が「強過ぎる」場合は要注意です。アメリカで金融引き締めの時期が早まる思惑が生じ、ドル金利が上昇すると、アメリカおよび世界の株式相場が調整します。

アメリカの景気は強すぎず、弱すぎず、「ほどほどに強い」のが株式相場にとってのベストシナリオとなります。

(2)日本では3月の日銀短観が発表される

日本では、4月1日に3月の日銀短観が発表されます。日銀短観で特に注目されるのは、大企業製造業DI(景況感指数)および非製造業DIです。今回は足元の景況よりも、先行きの景況指数の注目が高くなっています。日本では、4月1日に消費税が5%から8%に引き上げられますが、4月以降、日本の景気がどの程度、落ちるか推測する手がかりとなります。

また、実際、4月1日以降、小売業などでどの程度売り上げが落ちるかも注目されています。4月1―4日のデータだけでは、まだ確たる判断はできませんが、それでも百貨店などで「予想以上」に売上が落ち込むか、あるいは「想定線」の落ち込みか、少しずついろいろなところから、話がもれ伝わってくると思います。

私は、4月からの景気の一時的低下は既に株式市場では織り込み済みで、日本株を改めて外国人が大量に売ってくる要因にはならないと考えています。

(3)日本株買い増しの好機と考えます

私は、昨年まで25年間にわたり大手投資顧問会社で日本株のファンドマネージャーを務めていました。長い年月、実際に株を売り買いして、東証株価指数を大幅に上回るパフォーマンスを上げてきました。ストラテジストというより、ファンドマネージャーとしての感覚として「今は日本株買い増しの好機」と私は判断しています。

日本株に強気の理由は、以下の2つです。

  • 日本株が割安であること:配当利回り・PER・PBRなど、さまざまな指標から日本株は割安です。
  • 企業業績の拡大が続くと考えていること:円安・デフレ脱却・内需活況の効果で、2015年3月期も日本企業の利益は二桁の伸びを続けると考えています。