25日の日経平均は、52円安の14,423円。全般上値が重い中、地方銀行などPBRやPERの低い小型株に値上がりするものが目立ちました。

消費税引き上げ後(4月1日以降)は、国内景気が一時的に落ち込む見込みです。4月1日を前に、日本株をどんどん買い上がるのはむずかしいというムードが出ています。そんなムードの中、普段あまり買われることのなかった割安小型株を見直す動きが続くと予想しています。

(1) 小型株は割安

まずは、以下のグラフAをご覧ください。

(グラフA)東証一部と二部の平均PBR推移(3月25日まで)

東証二部の平均PBRは現在0.87倍です。解散価値といわれるPBR1倍を割り込んでおり、非常に割安です。(注)PBR(株価純資産倍率)の意味は、本レポートの末尾で解説してあります。

東証二部は小型株が多いのでPBRが低くなります。大型株の多い東証一部では、平均PBRは現在1.3倍です。ただし、東証一部でも小型株だけ取り出すと、平均PBRは1倍を割り込んでいます。一部も二部も、「小型株が大型株より割安」といえます。

(2)小型割安株のリスト

ご参考までに、以下に小型の低PBR株のスクリーニング結果を載せています。PBRが低い株には、構造不況株もありますので、きちんと利益を出しているものに絞るため、以下の3つの条件でスクリーニングしました。

スクリーニング条件

スクリーニング項目 条件 理由
① PBR 1倍割れ 割安な株を選ぶため
② 経常利益率 10%以上 収益力がある株を選ぶため
③ 過去3年平均増収率 6%以上 売上高が増えている株を選ぶため

スクリーニング結果

証券コード 銘柄名 主な事業内容 連結実績PBR(倍) 連結予想PER(倍)
4809 パラカ 時間貸し駐車場 0.92 7.7
5161 西川ゴム工業 自動車部品 0.66 6.3
5975 東プレ プレス部品 0.71 5.2
6278 ユニオンツール 切削工具 0.92 23.6
6832 アオイ電子 電子部品 0.8 11.1
7296 エフ・シー・シー 自動車部品 0.98 8.4
8125 ワキタ 建機販売レンタル 0.82 12.5
9072 日本梱包運輸倉庫 運輸・倉庫 0.87 13.6

(参考)PBRとは

PBR(株価純資産倍率)とは、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。資産価値からみて、株価がどの程度割安であるかがわかります。

<参考>PBRを理解するためのイメージ図