日経平均は、当面、上下とも大きくは動きにくい展開と考えます。こんな時こそ、先行きの上昇局面に備えて、じっくり有望銘柄の発掘に専念すべきです。昨日は、東証一部上場の大型株から、最高益を更新中の割安株を選び出してご紹介しました。今日は、東証一部の小型株から、最高益更新中の割安株をご紹介します。

(1) 最高益更新の低PER小型株リスト

東証一部上場の小型株から、以下の3条件を満たす銘柄を抽出しました(表A)。

  • 今期、過去最高益を更新する見込みである(注)。
  • 来期もコンセンサス予想で最高益更新が見込まれる。
  • 今期の連結PERが11倍以下(3月18日時点)

(注)営業利益・経常利益・純利益の少なくとも1つが最高益になる見込みの企業を抽出。今期とは、3月期決算企業では2014年3月期、12月期決算企業では2014年12月期、9月期決算企業では2014年9月期に当たる。

(表A)最高益更新見込みの割安小型株

証券コード 銘柄名 産業分類 PER(倍)
2418 ベストブライダル 結婚式場運営 6.5
3156 UKCホールディングス 半導体商社 5.8
3288 オープンハウス 戸建て・マンション建設 7.3
4201 日本合成化学工業 酢酸系の樹脂大手 8.9
4358 ティー・ワイ・オー 映像製作(CM・ウェブ) 10.8
4636 T&K TOKA 印刷用インキ 9.9
4809 パラカ 時間貸し駐車場運営 7.7
4956 コニシ 接着剤・シーリング材 10.2
6463 TPR 自動車エンジン部品 8.4
6516 山洋電気 小型精密モーター 10.6
6755 富士通ゼネラル 家庭用エアコン 8.8
7283 愛三工業 自動車エンジン部品 7.7
7514 ヒマラヤ スポーツ用品小売り 7.8
7517 黒田電気 電子部品商社 10.1
7613 シークス 電子・機械部品商社 10.2
7917 藤森工業 包装材・保護フィルム 9.6
7943 ニチハ 住宅用の外装材 8.8
8425 興銀リース みずほ系リース大手 10.9
8897 タカラレーベン 分譲マンション販売 7.5
9037 ハマキョウレックス 企業の物流を一括受託 6.6
9069 センコー 総合物流 9.5
9619 イチネンホールディングス 自動車リース 8.1
9788 ナック 注文住宅の企画・販売 10.5
9795 ステップ 学習塾 9.6
9842 アークランドサカモト ホームセンター 7.9
9956 バロー 中堅スーパー 7
9963 江守商事 化学薬品商社 6.8
9974 ベルク 食品スーパー 10.3

(2) 「最高益更新」と、「割安(低PER)」の2条件で選ぶ理由

株式投資には、成長株投資と、割安株投資があります。

  • 成長株投資: 利益の成長性が高い株に投資する。過去最高益を更新中の人気銘柄に投資することが多くなりますが、往々にして、株価が既に割高な銘柄が多くなることが問題です。
  • 割安株投資: 株価が、PERや配当利回りなどから見て、割安な株に投資する。往々にして、成長性の乏しい不人気銘柄が多くなることが問題です。

「過去最高益を更新中」の「低PER株」を選ぶのは、成長株投資と割安株投資の「いいとこ取り」を狙っているからです。当然いいことばかりでは、ありません。往々にして、成長率が低い、毎年、数パーセントしか増益しないような低成長株も含まれます。

それでも、「急がば回れ」。長い目で見て、割安な銘柄に投資した方が成果が大きくなることが、経験的に知られています。