ウクライナへのロシア軍の進出をめぐって国際緊張が高まったままです。ただし、金融市場は、この問題をクールに見始めています。「地球上にたくさんある地域紛争の一つに過ぎない」と割り切った考え方もできます。

私は、現水準で日本株は割安であり、ここは買い場との判断を継続しています。特に、好配当利回り株・株主優待の魅力的な株に長期投資を始めるいい機会だと思います。

(1)ウクライナ情勢緊迫化に冷静に対応した日本株マーケット

日経平均は3日(月)の寄付から急落し、一時400円近く下げました。しかし、下げた所では買いが入り、3日は188円安まで戻しました。4日(火)は69円高でした。今のところ、日本株はパニック売りが支配的になることはなく、冷静に反応していることになります。14,180円の下値支持線の堅さを確認したことにもなりました(グラフA)。

(グラフA)日経平均のテクニカル分析、14,180円に下値支持線

グラフAを見るとわかりますが、日経平均で14,180円は、かなり強い下値支持線となっています。一方、1月からの急落モメンタム(勢い)も強いものとなっています。強い支持線と、強い売りモメンタムに挟まれ、目先、日経平均は乱高下しやすくなっています。天気予報でいえば、「強い高気圧と低気圧が接近し、気流が乱れやすくなっています」、といったところでしょうか。

(2)ウクライナのリスクを過大評価すべきでない

まだ予断を許さぬ情勢下にはありますが、リスクは過大評価しても問題があります。安いところで日本株を買う機会を失う可能性があるからです。

ウクライナ問題を原因にかつての「米ソ冷戦」が復活する可能性は低いと考えています。米国・ロシアともそれを望んではいません。ただ、両国とも振り上げた拳の下ろしどころがなくて、しばらくは緊迫した空気が続くのはやむを得ません。 この問題は、いわゆる「解決」が見込みにくいものであることは確かです。クリミア半島でロシアと英仏トルコ連合軍が戦ったクリミア戦争が起こったのは1853年でした。ロシアと近隣諸国の領土紛争は、数百年後にも続いている可能性が高いといえます。

(3)好配当利回り株と、株主優待の魅力的な株に投資

短期的な相場ばかり考えていると、株が安くなった時に思い切って買っていくことが難しくなります。今みたいに株が安くなってきた時は、まず配当利回りが高い株から買いましょう。株主優待が魅力的な会社でもOKです。長期投資は、株が安いところでやることが、肝要です。