先週のドル円レンジは 103.16円 - 104.37円
先週の動き
17日(月):ドル円は、104円を挟んで一進一退。
ドル円は104円を挟んだレンジ取引に終始。高値は東京時間日中の104.37円、安値はNY時間の103.79円でした。終値は103.882円(前日比-0.292円)。
この日発表の10月NY連銀製造業景況は予想を大きく下回り、3ヵ月連続の悪化となりましたが、ドルの反応は限定的でした。連銀総裁の発言で、市場はFRB年内利上げの確信を深めている状況で、日米金利差拡大期待が、ドル円の下値を固くしています。
豪ドルは、ロウ・RBA総裁が「現在の豪ドルと金利は経済にとって望ましい水準である」と発言したことで、RBA年内利下げなしとの見方がさらに強まり、0.76ドル台前半まで買われました。またNZドル/ドルは、今朝(18日)のNZの7-9月期CPIが市場予想より強く、RBNZの11月利下げの可能性がやや後退したとして、0.71ドル前半まで急上昇しています。ドル円に限らず、金利差、中央銀行の金融政策の方向は、今のマーケットの中心テーマになっています。
18日(火)ドル円は、引き続き104円台を挟んだ取引。ポンド、豪ドルが上昇。
ドル円はこの日も動意に乏しく、104円を挟んだレンジ取引が続きました。
米9月のCPIはおおむね良好で、「インフレ率は目標達成に近づいている」というフィッシャー・FRB副議長の見解を裏付けました。ただコアインフレについては市場予想に届かず、ドル円は104.19円の当日高値をつけた後103.70円台に押し戻される展開。安値は東京時間の103.68円、終値は103.860円(前日比-0.022円)でした。ドル円は下値が堅い一方で、104円台半ばからの売り圧力も強く、105円にのせるには新鮮な材料が必要に思われます。
豪ドルは東京時間から買われ、0.7688ドルまで上昇。豪ドル円も7月21日以来の高値80.01円をつけました。RBA議事録が、豪利下げの可能性を後退させたことが買い材料になりました。議事録には、利下げについて、「7-9月期CPIを基準にして判断する」と述べられていましたが、今のところ懸念されるようなインフレ率の落込みは見られず、RBAは当面金利据え置きとの見方が広がっています。また豪ドルはユーロに対しても強く、EUR/AUDは昨年6月以来となる1.42豪ドルまで下落(ユーロ安/豪ドル高)しました。
一方、NZドルは、フォンテラが発表した乳製品の入札価格が改善したことが支援材料となって、0.71ドル前半から0.7216ドルまで上昇。NZドル/円も、74円近辺から74.91円まで値を伸ばしました。
19日(水):ドル円は、103円台前半まで下落。104円台が重くなる。
19日のドル円の104円台を回復することができずに、NY時間には10月11日の安値に並ぶ103.16円まで下落しました。高値は、東京時間につけた103.94円まで。連銀総裁の発言や米指標のサポートにもかかわらず、いっこうに105円に行きつかないドル円にしびれを切らして売りが出た模様。ただ103円台前半は堅く、102円台は回避しました。終値は103.424円(前日比-0.436円)。
ユーロドルも、1.10ドルを定着させられず、7月25日以来の1.0954ドルまで下落。ユーロ円は、114円前半から113.11円まで下げて、今月の安値を更新しました。
一方、オセアニア通貨は堅調。資源価格の回復や利下げ観測の後退が支えとなって、豪ドルは、9月の高値に迫る0.7728ドルまで上昇。一方、豪ドル円は79.14円まで売られたあと値を戻しましたが、円高が足を引っ張り、18日につけた80円台には戻せませんでした。
ドルカナダは、NY原油先物が15ヵ月ぶりの高値になったことを材料に、1.30ドル近辺まで急落(カナダドル高)。カナダ円は79.39円まで上昇しました。カナダ銀行は予想通り政策金利を0.50%に据え置きましたが、ポロズ・BOC総裁の「積極的に追加緩和を議論した」との発言で、ドルカナダは1.314ドル近辺まで急反落。カナダ円も78.60円まで売り戻されました。
20日(木):ドル円は、は、底固く104円台を回復。ECBは据え置き、12月に判断持越し。
20日のドル円は、東京時間の朝につけた103.33円を安値に反発して、NY時間には104.16円まで上昇。終値は、103.957円(前日比+0.533円)でした。日経平均が半年ぶり高値に続伸したことや、ダドリー・NY連銀総裁が年内米利上げを肯定したことがリスクセンチメントを改善させ、ドル高・円安につながりました。またこの日は米大統領候補者の最終討論会が行われましたが、ヒラリー・クリントン民主党の優勢は変わらず。マーケットはすでに織り込み済みのため、相場の影響は限定的でした。
ECBは、予想通り政策金利を据え置き。資産買い入れプログラムの月間購入額も据え置きました。会合後の記者会見でドラギ総裁は、「12月の会合で判断する」として、今回は緩和の延長も縮小も、「議論しなかった」と述べました。ユーロドルは一時1.1038ドルまで急騰しましたが、すぐに押し戻されると、英国民投票後の安値に迫る1.0915ドルまで反落。ユーロ円も114.51円まで上昇後、113.36円まで下押ししかし、ドラギ総裁は、追加緩和をするとも、緩和縮小をしないとも言っていません。次回会合では、両方の可能性が残っています。今後の欧州経済指標の結果次第でユーロが買い戻される可能性もあります。
豪ドルは下落。RBA総裁は、「利下げ」の判断基準のひとつに雇用統計を掲げていましたが、9月の就業者数が予想に反して悪化。一転して弱気ムードが広まると、豪ドルは0.77ドルを割り、海外時間には0.7620ドルまで売られました。
21日(金)ドル円は、104円台を維持できず103円台へ下落。ユーロドルは続落で安値更新。
ドル円は、前日からのドル買いの流れを引き継ぎ、東京時間午前に前日の高値を更新して104.20円まで上昇しました。しかし、中国地方で起きた地震によって、午後からは円買いへと流れが切り替わり、NY時間には103.52円まで下落。ただし、米年内利上げを意識したドル買い需要で下値も限定的で、その後は徐々に値を戻し、終値は103.834円(前日比-0.123円)でした。
ユーロドルは続落。3月10日以来の安値を更新して1.0859ドルまでユーロ安が進みました。ユーロ円も、約3週間ぶりに113円を割って112.61円まで下落。
20日ECB会合後に、ドラギ総裁が「量的緩和を突然終了することはない」と発言したことをきっかけにユーロ売りが加速。ECB会合では、(資産買入れを徐々に減額する)緩和縮小についての議論はなく、このため、ドラギ総裁の発言は、量的緩和の継続を意味すると市場が受け取ったためです。ただし、ドラギ総裁は、量的緩和延長の議論もしなかったと述べています。いずれにしても、判断は12月ECB会合に先送りされたことになり、今後の欧州経済指標がより重要になってくるでしょう。
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