米雇用統計をはさんで調整でる

IMMポジション推移

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円:

CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による9月6日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネットロング枚数は、前週比14.4%減少して54,489枚になりました。円ロングポジションの積み増しは5週でいったんストップしました。

内訳では、円買い持ち(円ロング)枚数は前週比マイナス8.3%の一方、円売り持ち(円ショート)枚数は前週比プラス5.6%増えました。円ロングが減って、円ショートが増えています。

ジャクソンホールの講演でイエレン議長は利上げに意欲を示し、それをバックアップするように、フィッシャー・FRB副議長は、8月雇用統計が利上げの重要な判断材料なるとインタビューで語りました。

しかし、米労働省が9月2日に発表した8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比プラス15.1万人と、市場予想のプラス18万人を下回りました。また、これより前に発表された米8月ISM製造業景況指数も、景気判断の分かれ目とされる50.0を下回る49.4という水準でした。

ジャクソンホールで盛り上がっていた9月利上げ期待に水が差された格好となり、ドル円はいったん102円台後半まで引き下がったのですが、とはいえ、米経済は悪化しているわけではありません。むしろ、利上げに耐えられる体力があるわけで、にもかかわらず低金利が続くのだから喜ばしいことだと、株式市場が上昇しました。リスクオンの流れが強まりドル円は104円台を回復。

これまでの円高センチメントに変化を感じたのか、この週のIMMの円ポジションは、比較的大きな調整となりました。

 

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