ユーロショートが減る一方、豪ドルロングは増える。

IMMポジション推移

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ユーロ:

ユーロのネットショート枚数は、前週比5.5%減少して98,399枚になりました。ショートポジションは、2週連続の縮小です。

この週のユーロドルは、1.09ドル台半ばを底値にして1.12ドル台まで回復。英国民投票直前は1.14ドル台で取引されていたことを考えると、まだユーロ安のレベルです。とはいえ、当初の行き過ぎた悲観が消えたことで、積極的にユーロショートを積み増すことに対しては慎重になっているようです。

内訳をみると、ユーロ売り越し枚数は前週比マイナス4.7%、ユーロ買い越し枚数は前週比マイナス3.9%と、ロング、ショート共にポジション調整が主体でした。
 

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豪ドル:

豪ドルのネットロング枚数は、前週比11.2%増加して34,884枚になりました。

RBAは8月の会合で、政策金利を25ポイント引き下げ1.5%にすることを決定しました。発表後、一時的に豪ドルは売られましたが、その後は英EU離脱後の高値を更新して0.76ドル台まで上昇しています。

豪ドルはG7通貨のなかでは依然として高金利であり、イールドを求めるフローを引き付けています。特にFRBの利上げ時期が不透明な状況では、利下げをしても豪ドルの方が魅力的ということでしょう。IMMの豪ドルロングも徐々に枚数を増やしています。
 

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ポンド:

ポンドのネットショート枚数は前週比9.2%増加して、90,082枚になりました。ショートポジションは6週連続の増加。ショート枚数は、過去最高水準まで積み上がりました。

EU離脱決定直後のパニックは収まりましたが、ポンド先安観は一層強まっていることがわかります。相場が落ち着いたからこそ、安心してポンドを売れるようになった、ともいえます。

BOEは4日の会合で、2009年以来約7年ぶりの利下げを実施。政策金利を0.5%から過去最低の0.25%に引き下げるとともに、資産買入れ枠を4350億ポンドに拡大しました。利下げは全会一致でした。

EU離脱決定後の英国PMIは急速に悪化しており、とりわけ企業や住宅への投資意欲の後退を憂慮したことがBOE利下げの大きな理由です。英政府のEU離脱プロセスが依然不透明な中で、今回の決定は景気後退を食い止める予防手段的な意味合いもありました。カーニー・BOE総裁は、「必要ならば、一段の利下げも可能」と将来の追加緩和も示唆。しかし、政策金利は「ゼロを若干上回る水準まで」と、マイナス金利の可能性については否定しました。

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