7月米雇用統計直前レポート

今夜、注目の7月米雇用統計が発表されます。
市場予想では、NFP(非農業部門雇用者数変化)+18.0万人(前回+28.7万人)、失業率4.8%(前回4.9%)となっています。数字が大きくブレた直近の2ヵ月を除く、今年のNFPの平均値は+18.7万人ですから、市場は引き続き米労働市場の順調な拡大を期待していることになります。
 

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前回6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+28.7万人と、その前の月の大幅な落込みを十分に補う好結果でした。もちろん1回のデータで判断しないということは、結果が良い場合もまたしかりです。しかし、6月の雇用統計は、消えかかっていたFEDの年内利上げの可能性を復活させたという点で、意味は大きかったといえます。

FOMCは先月の会合後、「短期的なリスクは後退した」との声明を発表しました。
米労働市場の落ち込みが一時的だったこと、また英EU離脱後の金融市場に目立った混乱もないことに安心したFOMCは、次回利上げに向けて一歩前進しました。

7月の米指標もおおむね堅調で、特に高額消費の代表格の住宅は、中古住宅販売件数が9年4ヵ月ぶり高水準を記録。雇用の拡大と労働賃金の上昇が消費につながり、米経済に好循環をもたらしています。平均労働賃金も安定しています。そのため、今回の雇用統計が十分に強ければ、9月利上げもありえるという見方も増えてきました。
 

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ところがここにきて、冴えない米指標が続いています。米4-6月GDPは前期比年率1.2%と予想を大きく下回り、さらに1-3月分も下方修正となりました。7月ISMも製造業、非製造業ともに予想を下回っています。

今回の雇用統計は、やや沈みがちなセンチメントが再び盛りあがって、9月利上げに期待をつなげられるかどうかの境目になりそうです。特に、今年の円の最高値に接近中のドル円にとっては重要です。
結果が市場の期待に届かなかった場合、ドル円の下落が加速するリスクがあります。しかし、たとえドル円が上昇したところで、恰好の売りチャンスになる可能性があるため、ドル円の上値余地は限られるように思います。

ドル円のサポートは、99.90円、98.79円、その下は97.60円。レジスタンスは、105.53円、106.75円、そして107.50円です。