先週のレビュー(6月20日–6月24日)

ドル円1時間チャート

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21日(月):英EU離脱懸念薄れポンドが急反発。ドル円は伸び悩む。

週明けの東京市場は、ポンドが急伸。最新の英世論調査で残留派が勢いを取り戻し、離脱派を上回る結果となったことがきっかけとなりました。ポンドは対ドルで、前週終値の1.4357ドルから200日移動平均に迫る1.4694ドルまで上昇を続け、今月の高値を更新しました。終値は1.46910ドル。

一方ドル円は、金曜日の高値をわずかに超える104.84円をつけた後は徐々に押し戻される展開。105円復帰に失敗して、NY時間夕方には、逆に今年の安値に迫る103.77円まで売られました。終値は103.929円(前日比-0.197円)。

クロス円も頭が重く、ポンド円は、ポンドドルに合わせて150円台後半から153.63円まで上昇したものの、円高が足かせになってその後は伸び悩みました。終値は152.715円。ユーロ円はさらに頭が重く、119円台を維持できずに、117円台前半へ反落。終値は117.603円でした。
 

22日(火)ドル円は一時105円台まで円安。イエレン議長は利上げに慎重姿勢崩さず。

火曜日のドル円はドル高・円安に戻りました。103円台後半でオープンしたドル円は、日経平均の上昇と共に、東京時間に104円台を回復。その後も堅調に値を伸ばしてNY時間には一時105.05円の高値をつけました。英国のEU離脱懸念がやわらぎ、投資家心理が改善していることもドル円買戻しの動機になりました。終値は104.769円(前日比+0.84円)。8営業日ぶりのプラスで引けました。

イエレン議長はこの日の議会証言で、利上げについて改めて慎重な立場を示しましたが、7月利上げを完全に否定したわけではありませんでした。FRBにとっても、目下の最大の懸念は、英国民投票の行方。米利上げも、その結果次第ということになるでしょう。

ポンドドルは大きく買い戻され、1月4日以来の高値となる1.4783ドルの高値をつけました。この一週間で800ポイント近く急回復したことになります。ポンド円も、152円台から上昇、154.38円の高値をつけました。
 

23日(水):ドル円は104円半ばでもみあい。英国民投票控え様子見強まる。

英国民投票を前に水曜日のマーケットは様子見ムードが強まり、ドル円は104円台半ばを中心にもみ合いが続きました。終値は104.433円(前日比-0.336円)。

ポンドドルは1.4773ドルを高値に1.46415ドルまで下落。オピニウム社が発表した調査で離脱支持派が45%と残留支持派の44%を上回ったことが材料になりました。終値は1.47054ドル。154.58円まで値を伸ばしたポンド円も、152円台に押し戻されて153.57円で引けました。なおポンドドルは、今朝(23日)のマーケットで年初来高値を更新して1.4849ドルまで上昇しました。

ユーロドルは1.12ドル前半から1.13ドル台に戻し、1.13375ドルまで上昇。引けにかけてはやや押し戻されて、終値は1.12967ドルでした。ユーロ円は118.60円の高値をつけた後、ポンド円と共に117円台へ下落、終値は117.987円。

一方豪ドルはしっかりとした動きで、豪ドル円は78円台後半、豪ドルは0.7525ドルまで上昇しました。米石油協会(API)が前日発表したレポートで、原油在庫が予想以上に減少、原油先物価格が50ドル超えとなったことが資源通貨買いにつながりました。その後発表された、米エネルギー情報局(EIA)のレポートでは、原油在庫減少幅が予想以下にとどまったため、原油相場は反落したものの、豪ドルの買い意欲は強く、堅調地合いを維持したまま0.75001ドルで引けました。
 

24日(木):英EU残留見通し強まり、ドル円は106円後半台まで円安進む。

木曜日の欧州市場は、英国民投票が始まってまもなく、まるでこの時を待っていたかのようにEU残留有利の世論調査が次々と発表になり、これに反応してポンドとユーロが急騰、ポンド/ドルは今年の高値を更新しました。リスクオンのうねりは主要通貨全てに広がり、米ドル/円も104円台から106円台までドル高・円安が進みました。
 

25日(金)英国、EU離脱。ポンド大暴落。米ドル/円は一時99円割れ。

英国は国民投票でEU離脱を選択、東京市場は大荒れとなりました。
日本時間24日午前6時に投票が締め切られてほどなく「残留確実」との調査が発表されるなど、市場は楽観的な見方に包まれるなか、ドル円は106円台後半、ユーロ円は121円台後半、ユーロドルは1.14ドル前半、ポンド円は160円台前半、そしてポンドドルは年初来高値水準の1.5018ドルで取引を開始しました。東京時間午前8時に開票が始まると、薄いマーケットのなかでドル円は103円台に急落、その後すぐに105円台に戻すなど荒い値動きが始まりました。

開票前半はEU残留派が優勢で、ドル円も105円前後を維持。しかし東京時間昼前から離脱派が逆転するとマーケットの楽観論が揺らぎ始め、ドル円は急落。2013年11月以来の100円台を割ると、98.79円まで一気に円高が進みました。クロス円も、ポンド円は135円台前半、ユーロ円も109円台半ばまで下落。

その後も残留派が盛り返すことはできず、開票が半分を超えた東京時間午後1時頃には、EU離脱派の勝利がほぼ確定的になりました。悲観一色となったマーケットで、ポンドドルは朝の高値から12%超下げる、1日の下げ幅としては史上最悪を記録。1985年以来31年ぶりの安値となる1.3219ドルまで暴落しました。ポンド円も133.26円まで売られ、日中の下げ幅が27円近くに達しました。EU離脱派は最終的に全体の51.9%を占め、東京時間午後3時すぎには、英国のEU離脱決定が正式に発表されました。これを受けてキャメロン英首相は辞任を表明しました。

結果が出てしまった後の海外時間の相場はやや落ち着きを取り戻し、またG7協調介入に対する警戒感もあって調整の買戻しが見られました。ドル円は103円台に戻す場面もありましたが、上値は重く、押し戻されて102.246円(前日比-3.790円)で取引を終えました。

ポンドドルは1.36581ドル(前日比-1181.5ドル)、ポンド円は139.665円(前日比-17.826円)、ユーロ円は113.438円(前日比-7.321円)、ユーロドルは1.11070ドル(前日比-273.6ドル)と、いずれも日中安値から戻して終了。