今月は利上げ見送りか、しかし7月の可能性は?

連銀総裁発言集(4月FOMC以降)

イエレン議長は、5月末の時点では、「最近のデータでは成長の加速が感じられる。今後数ヵ月以内の利上げが適切になるだろう」と強気でしたが、今月の雇用統計後には、見通しが「経済のポジティブ要因はマイナス要因を上回っている。」にややトーンダウンしました。
「雇用統計は悪かったけれど、経済全体としては心配することはない」とはいえ、イエレン議長のこの発言以降、利上げ期待は急速にしぼむことになりました。

今月に関しては、「英EU離脱問題が6月FOMCで要因になる可能性(カプラン総裁)」があり、しかも英国民投票の結果がどちらに転ぶのかわからない状況になっていることから、利上げ見送りはほぼ確実。金利市場の利上げ織り込み確率も0%になっています。

では利上げは秋まで見送りかというと、「7月利上げの可能性はまだある。(ブラード総裁)」、「年内2回の米利上げ見通しは依然として妥当な予想。(ダドリー総裁)」の意見もあり、7月利上げのチャンスが消えたわけではありません。

「利上げの確率は市場が織り込むより高い」とのローゼングレン総裁の見解に耳を傾けるべきでしょう。

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