ドル円が1年5ヵ月ぶりの円高に

先週のドル円チャート(03月28日-04月08日)

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先週のマーケットレビュー

【04日(月):米雇用統計後のドル円は111円台で取引。】
本格的新年度スタートの日となる月曜日、ドル円は111円台での揉みあいとなりました。
程よく強かった先週の米雇用統計にもかかわらず、111円台へ下落したドル円でしたが、この日も上値の重さは変わらず、高値は東京時間の朝につけた111.79円で、112円台回復はできませんでした。

クロス円では、豪ドル/円が2月小売売上高が予想を下回ったことをきっかけに売り優勢となり、85.79円を高値にして84.51円まで値を下げました。RBAが最近の豪ドル高に対して懸念を示すとの警戒感も上値を重くさせたようです。ユーロ/ドルも経済指標が冴えず、1.14ドル台前半から1.13ドル台半ばまで下押し。先月128円台まで値を伸ばしたユーロ/円も126.44円まで売られました。」


【05日(火):ドル円110円を下抜け。】
イエレン議長の発言で円高スイッチが入ったドル円はこの日、今年の安値である110.66円を下抜けると2014年10月以来の円高水準となる109.95円まで下落しました。

急な円高を受けて、菅官房長官が「為替市場の動向を、緊張感をもって注視していきたい」と発言。これが、今回初めての口先介入と受け取られて110円台後半に戻る場面もありましたが、効き目はありませんでした。

また日銀が今月の会合で追加金融緩和について議論するとの報道も流れましたが、逆に言えば会合までは動けないという日銀の限界を示すことになりました。今月の金融政策決定会合は4月28日。まだ遥か先です。さらに円高に進む時間の余裕は十分あるようです。


【06日(水):ドル円は109円台前半に。円高続行。】
日銀介入警戒感などで、東京時間に110.63円まで反発したドル円は、その後しばらくもみ合いを続けましたが、NY時間に入るとドル売り・円買いが優勢になり、前日に付けた1年5カ月ぶりの高値を再び更新しました。
FOMC議事録発表直後に109.32円まで下げてから戻しましたが、110円台回復はならず、終値は109.788円でした。

今朝公表されたFOMC議事録によると、「数名の委員が、4月利上げが適当である可能性を指摘」する一方、「その他の委員は利上げに慎重な取り組みが必要」などと、目新しい情報はなく、ドル円の買戻し材料にはなりませんでした。


【07日(木):ドル円ついに107円台突入。黒田バズーカ以前の水準まで円高進む。】
ドル円は大幅下落。東京時間に2014年10月31日以来の円高水準である109.16円を下抜けするとそのままずるずると107.61円までドル安・円高が進みました。

2014年10月31日というと、日銀が量的・質的緩和の拡大を決めた、いわゆる黒田バズーカ第2弾が発表された日です。この日を契機として円安トレンドに弾みがついて、ドル円は125.86円まで円安が進んだのですが、その上昇分が全て消えたことになります。

クロス円も全面安。ユーロ/円は125円台から122.55円まで、ポンド/円は、155円台から2013年8月以来の安値となる151.62まで下落。ポンド/円の下げが際立つのは、他の通貨がドルに対して上昇するなかでブリグジット問題を抱えるポンドだけが対ドル、対ユーロでも下落しているからです。資源通貨も軟調で、豪ドル/円は83円台後半から80.66円まで値を下げました。


【08日(金)一瞬109円台に反発も、上値重くドル円は6日続落。】
前日1年5ヵ月ぶりの安値となる107.61円まで急落したドル円は、この日は買戻しが入り、一時109.10円まで値を戻しました。しかし上値の重さに変わりはなく、NY時間夕方には108円台前半まで再反落。上昇分を全て消して取引を終えました。終値は6日続落の108.098円(前日比-0.135円)。