FOMC終え、マーケットの潮流はドル売りに

先週のドル円チャート(3月14日-3月18日)

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14日(月):日銀、FOMCを控え113円台で足踏み。
米ドル/円は113円台後半でもみ合い。
ECBの後、日銀・FOMCの前で、様子見ムードの1日でした。東京時間に一時114円まで買われたものの上値は限定的でした。一方、このところの株価上昇が市場のセンチメント改善につながり、下値も支えらました。終値は金曜日とほぼ変わらず113.782円(前日比-0.011)。

また資源通貨は、原油価格の急反落で失速。豪ドル/円は86.39円と高値として、NY時間には85.22円へ下押し。豪ドル/ドルも節目の0.7600ドルの直前で折り返し、0.7491ドルまで下落しました。


15日(火):日銀現状維持を決定。ドル円は113円台前半にとどまる。
日銀はこの日金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持を決定しました。発表前の米ドル/円は思惑的な買いで114.04円まで上昇しましたが、結果が出た後は失望感もあって113円前半へ反落。海外時間に入ると円高の流れはさらに強まり、112.62円の安値をつけました。終値はやや値を戻して113.145円(前日比-0.637円)。

欧州通貨ではポンドの下落が目立ちました。ポンド/円は、162円台後半から海外時間に159.54円まで下押し。この2日間で約3.60円もポンド安・円高が進みました。

また、豪ドル/円も売りが強まりました。豪ドル/円は、先週末から原油高を理由に買われてきた要素が大きかったのですが、原油価格が36ドル台に逆戻りしたことで、金曜日の上昇分全てをはき出すことになりました。

16日(水):FOMCは利上げ見通しを後退。失望感からドル円は112円台前半へ下落。
FOMC後のドルは急落。米ドル/円は113円台後半から112.32円まで下落しました。
FOMCは今朝の会合で、FF金利の利上げを見送るとともに、年内は0.50%の利上げが適切との見解を示しました。昨年12月時点の、利上げ幅1.00%、0.25%x4回という見通しから、利上げ幅0.5%、0.25%x2回へと下方修正されたことになります。金利市場では、すでに年1回という見方が主流でしたが、FOMCは、それを追認する形となりました。

ドル下落の流れに乗って、ユーロ/ドルは1.10ドル台後半から1.1240ドルまで急上昇。豪ドル/ドルも0.74ドル台前半から0.7560ドルまで値を伸ばしました。一方、クロス円は、米ドル/円が下がったために上値は限定的でした。。


17日(木):FOMC後のマーケットで広範なドル売り始まる。ドル円は110円台へ急落。
木曜日の米ドル/円は大幅下落。
FOMC発表明けの東京市場の米ドル/円は、一時113円台手前まで回復したものの勢いは続かず、海外時間に入ると、ダブルボトムとされていた2月11日の安値を更新して、2014年10月以来となる110.668円まで急落しました。その後は日銀のレートチェックの噂で112円台まで一気に反転するなど値動きの荒い展開となりました。終値は111.381円(前日比マイナス1.185円)でした。

FOMCの利上げ軌道の下方修正、そしてECBや日銀の緩和政策は、リスクセンチメントとっては明らかにプラスであり、資源通貨の買い材料となりました。豪ドル/ドルは昨年7月3日以来の高値となる0.7656ドルまで上昇しました。豪2月失業率が予想より良かったことに加え、原油価格は40ドル台を回復したことが豪ドルの支えとなりました。

また、広範なドル売りの流れで欧州通貨も上昇。ユーロ/ドル、ポンド/ドルともに2月中旬以来の高値をつけました。ただしクロス円は、米ドル/円の下げと相殺されて値動きは限定的でした。


18日(金)日銀介入警戒感から、111円台後半まで調整の買戻し入る。
FOMC利上げペース後退の見通しから売られたドルがこの日は持ち直しました。
米ドル/円は東京時間午前につけた110.84円を安値として、NY時間引け前までに111.76円まで回復しました。木曜日に1年5ヵ月ぶりの安値圏まで急落したことに対する日銀の介入警戒感もあって、買戻しが出やすい地合いではありました。しかしマーケットの潮目は円高方向へと変わりました。この動きは一時的なものに過ぎないでしょう。