日銀「マイナス金利」で自爆。大ケガから立ち直れずに終わった2月

ドル円2月チャート(4時間足)

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2月のマーケットは、株価持ち上げと円安誘導を目的として放った日銀の「マイナス金利」が完全に裏目に出ることになり、日銀会合の翌営業日の2月1日から株安と円高が急激に進むことになりました。

円高は2週間続いたあと、11日に2014年11月以来の安値となる110.97円をつけて、いったん落着きを取り戻しました。しかし上値は重く、ドル円フリーフォールを経験した投資家の相場観は円高見通へと強く傾いています。

月末は、相場の中心が円からポンドへと移りました。キャメロン英首相は6月23日の国民投票でEU離脱の是非を問うことを決定、そのうえで英国民に残留を支持するよう呼びかけました。しかし、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が離脱を支持したため、ブリグジット(Brexit)リスクは急速に高まっています。英世論調査でも、EU離脱派は39%で残留派の36%を上回る勢いで、先は全くわかりません。
ポンド/ドルは一時1.42ドル後半から2009年3月以来7年ぶりの安値を更新することになりました。ポンドやユーロは、対ドルばかりではなく対円でも売られたため、ドル円は2月11日の安値110.97円に迫る111.03円まで再び円高が進みました。

日本の企業が年度末決算を迎える3月末まであと一月半。来月に入ると、ECB理事会(3.10)とFOMC(3.16)が待ち構えています。ドラギ総裁が追加緩和を行い、イエレン議長が3月利上げを見送る可能性があることを考えると、ドル円の上昇余地はいっそう狭まることになるでしょう。

ピボット分析: 今日のドル円予想レンジは112.22 - 113.58

本日のピボット表

ピボットとは、前日の値動きをもとに、今日のサポートやレジスタンスを計算するテクニカル指標です。海外では多くのトレーダーがデイトレードのエントリーやエグジットレベルとして活用しています。

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