ドル円は、先週末から日銀の追加金融緩和の発表により大きな上昇をしていますが、今回は年間の変動幅についてお話したいと思います。8月半ばから9月半ばにかけて102円台から109円台と約7円の円安が進行しました。スピードが速すぎるから調整があるのではないかという見方が多くなり、最初に109円台に乗せ109.46円を付けた後、一旦108円台半ばへの押しが見られました。ここまでの年間値幅は、8円70銭(109.46-100.76)です。約7円の値幅は年間の値幅の80%に当たることになります。マーケット参加者の多くが、「1ヶ月で7円は速すぎる。一旦調整があるだろう」と感じたのは、過去のドル円の年間の値幅が頭にあるからだと思います。通貨の動きや値幅には、それぞれ固有の特性があるため、過去の値幅を知ることは相場を予測する上で大切な道具のひとつになります。
ドル円 年間変動幅
上記の表は、1990年以降のドル円の高値、安値そして年間値幅と変動率を表しています。数字は絶対的なものではなく、どの時間帯の始値をとるか、ワンタッチの高値や安値をとるかで変わってきますので、参考値としてお読み下さい。
ドル円の値幅の特性
上記の表(1990年〜2013年)から推測されるドル円の値幅の特性をまとめてみます。
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最大年間値幅は1990年36.70円、最小値幅は2011年10.22円、平均18.95円
2011年は円の史上最高値75.31円を付けた年(ドル円は戦後360円からスタート) - 変動率(年間値幅÷年初始値)最大1998年27.72%、最小2006年9.26%、平均16.99%
この過去の動きから今年の予想レンジの最大、最小、平均を推測すると、年間幅では、今年の安値(100.76円)に加えた高値は、137.46円、110.98円、119.71円
変動率では、今年の始値(105.26円)に変動率をかけると、29.18円、9.75円、17.88円、今年の始値(105.26円)に値幅を加えると、134.44円、115.01円、123.14円
ということになります。ひとつの目安として参考にして下さい。但し、2000年までの変動幅は大きく(平均22円)、近年はそれよりも小さくなってきていますので、参考までに直近5年、10年、15年の平均も下表にまとめましたので、ご参考にして下さい。個人的には、最近のボラティリティの低さや金融環境を考えると大変動にはなりにくい相場地合いと考えています。
また、上記の表には前年の終値から翌年の高値の値幅と安値の値幅も計算しています。下表はその直近5年、10年、15年を平均したものです。これは、翌年の相場レンジを予測するひとつの参考値になります。例えば、もし今年の年末に110円で終われば、来年の予想レンジは5年平均を使えば、104.88円〜119.13円になるということです。法人企業などで来年の予算を立てる時に役に立つかもしれません。それでは各表をじっくりと眺めながら読み解いて下さい。
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