先週の国内株市場ですが、日経平均は一段と株価水準を切り上げる動きを見せました。週末4月28日(金)の終値は19,196円となり、前週末終値(4月21日の18,620円)からは576円高となっています。

(図1)日経平均(日足)の動き その1(2017年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは、上の図1で足元の日経平均上昇の動きを辿ってみます。

ローソク足が週初の24日(月)と、26日(水)のふたつの「窓空け」のタイミングで、25日移動平均線と75日移動平均線を次々に上抜けているほか、同時に5日移動平均線も2本の移動平均線(25日・75日)も上抜ける「ゴールデンクロス」が出現しており、勢いに乗って株価が戻ってきたことが感じとれます。

一方で、26日(水)の高値をピークとして、週末にかけては上値が伸び悩んでいます。国内が大型連休を控えているためと見るのが自然ですが、27日(木)と28日(金)のローソク足の実体(四角い箱の部分)が、26日(水)の実体の長さに収まる「はらみ足」となっています。26日~28日の3本のローソク足を合成すると、上ヒゲの長い陽線になります。

また、株価の水準で見ても、足元は、直近高値(3月13日の19,656円)と安値(4月17日の18,224円)の下げ幅の「3分の2戻し」の水準(約19,178円)に差し掛かったところで上値が伸び悩んでおり、ここからも、「下落分を一気に取り戻した後の様子見」になっている印象です(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)の動き その2(2017年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

国内連休中には、米国のFOMCや雇用統計、仏の大統領選挙の決戦投票が控えているほか、北朝鮮情勢の動向もきになるところであり、足元の株価位置は連休明け後の上振れと下振れの「両面待ち」の状況と言えます。

株価が下方向を目指すのであれば、足元で戻りの上値追いが一段落したため、直近安値を基準としたトレンドラインを下抜けたところが、下げが加速するかもしれないポイントとして意識されそうです。となると、先週上抜けた75日移動平均線、25日移動平均線がサポートとして機能するかが注目されます。

反対に上方向ならば、今年に入って何度となく跳ね返されている19,600円水準までの上昇は期待できそうです。さらに、ここからの上値追いについては、週足のチャートで確認してみます(下の図3)。

(図3)日経平均(週足)の動き(2017年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足チャートでは、足元で陽線が2本続けて出現しているほか、日経平均も下抜けていた26週移動平均線と13週移動平均線を回復しています。19,000円から19,600円の価格帯は、今年に入ってから3カ月以上もみあった水準であるため、この価格帯を上抜けるにはプラスαの買い材料が欲しいところです。

また、日経平均は、以前から紹介している中期のトレンドライン(2016年に形成したトリプルボトム崩れの安値どうしを結んだ線)に沿って推移しており、現在はこのトレンドラインの復帰を目指している状況と言えます。