3月15日
OPEC減産履行も原油安が進行、中国石油メジャーの値動きも年初から低調

石油輸出国機構(OPEC)の発表によると、OPEC加盟国の2017年2月の原油日産量は全体で3196万バレルと、1月から14万バレル(0.4%)減少した。減産の適用を免除されているリビア、ナイジェリアの生産量が伸び悩む中、加盟国の総生産量はこれで2カ月連続して目標の3250万バレル以下に収まった。2月の減産目標の達成率は全体で94%と、1月の92%を上回る水準。国別に見ると、目標達成率が100%を超えたのは、またしてもサウジアラビアとアンゴラの2カ国だけだったが、UAE、イラクなど、その他加盟国の達成率も軒並み改善傾向を示した。ただ、それでも、原油安の流れに歯止めをかけるには至らなかった。

実際のところ、減産を主導しているサウジアラビアにしても、原油日産量は2月に1001万バレルと、前月比で2.7%増。これは市場にとってのサプライズであり、原油先物相場の下落要因ともなった。また、市場では今も、米国の生産拡大がOPECの減産効果を打ち消すとの警戒感が根強い。米国に配置されている原油リグの数は16年5月の低水準から95%増加。石油日産量は908万8000バレルと、16年7月初めに比べ7.8%上向いた。

北海ブレント原油のスポット相場は米国の原油在庫が予想を上回ったことを嫌気して、1バレル=50.92米ドルまで下げた。過去6営業日の累計下落率は9%。BOCIによれば、これといった支援材料が見当たらない中、ブレント原油のスポット相場は短期的に1バレル=50-55米ドルのレンジで推移する可能性が高いという。

香港株式市場では、中国の石油メジャーが年初からこれまで、全体相場をアンダーパフォームしている。個別では、CNOOC(00883)とペトロチャイナ(00857)の年初来騰落率がH株指数をそれぞれ16%、10%アンダーパフォームした。ただ、BOCIは原油価格がすでに、直近レンジの底値に近づいているとの見方。また、本土石油銘柄の出遅れ感を指摘し、このところの株価の調整が短期的な買いチャンスにつながる可能性を指摘している