先週は、4日連続安のあと25日移動平均線を終値で守ったことで反発して引ける

先週の予測では、ナスダックの動きとFOMCの利上げ後の発表に注目とし、目先は円高の流れにあるので日経平均は下げることを想定し、その場合は終値で25日移動平均線(6月12日(月)時点19,835円)を守れるかどうかがポイントとしました。

結果的には、テクノロジー株がいったん下げ止まったことでナスダックも下落が止まったものの、アメリカの経済指標の結果を受けて為替が一時2カ月ぶりに1ドル=108円台の円高進行となりました。これを受けて日経平均も一時19,755円まで下落しましたが、終値では25日移動平均線でぴったり止まりました。週末は一気に1ドル=110円台への円安進行となったことで、一時2万円を回復しましたが19,943円で引けました。

12日(月)は、前週末のアメリカでの主力テクノロジー株が急落し、ナスダックが大幅安となったことで、主力輸出株中心に利益確定売りから▼104円の19,908円と再び2万円を割り込みました。13日(火)は、前日のアメリカ市場でテクノロジー株の下落が続いてアメリカ株式は軟調だったことで、一時19,850円まで売られましたが、好業績の内需株が買われ▼9円の19,898円の小幅続落となりました。14日(水)は、前日のアメリカ株式は反発したものの、FOMCを前に様子見ムード強く2万円を回復する場面もありましたが、▼15円の19,883円と3日続落となりました。この日の引け後のアメリカでは、5月小売売上高や5月消費者物価指数が予想を下回ったことでドル売りが加速し、為替は4月21日(金)以来約2カ月ぶりの1ドル=108円台の円高となりました。その後はFOMCで予想通り0.25%の追加利上げが決定し、年内あと1回の追加利上げが示唆されたことで1ドル=109円台半ばまで円安が戻りました。15日(木)の日経平均は円高が重しとなって25日移動平均線(前日、19,837円)を割り込む▼67円の19,815円で始まり、一時19,755円まで下げ、いったん下げ幅を縮小して19,963円まで戻しましたが、戻り待ちの売りに押され、▼51円の19,831円とこの日の25日移動平均線とほぼ同値で引けました。何とか終値では25日移動平均線を守ることになりました。引け後のアメリカでは、FOMCの結果発表では、もう1回の追加利上げというタカ派的なものとなったことでドルが買い戻され、1ドル=110円台後半の円安で引けました。これを受けて週末16日(金)の日経平均は、一時1ドル=111円台へ円安が進んだこともあり、また、日銀金融政策決定会合で現状維持の決定もあって△183円の20,015円まで上昇しましたが、その後は利益確定売りと週末要因で△111円の19,943円で引けました。

16日(金)のアメリカ市場では、テクノロジー株は利益確定売りが続き小売株が軒並み下落となる一方で、原油価格の反発を好感してエネルギー株が上昇しました。NYダウは△24ドルの21,384ドルと最高値更新となりましたが、ナスダックは▼13Pの6,151Pの続落とマチマチの動きでした。為替は経済指標が予想を下回ったことで、1ドル=111.42円から1ドル=110.63円まで下げ、引け値は1ドル=110.87円となり、シカゴ日経先物は▼20円の19,920円で引けました。

 

今週は、2万円台での値固めができるかどうかに注目

今週は、大きなイベントを通過し、25日移動平均線を終値で守って反発したことで、為替が落ち着いていれば2万円回復し、2万円水準での値固めをするところです。為替もFOMCでもう1回の利上げが示唆されたことで、日米金利差拡大期待からドルが買われやすい状況となりますが、「ロシアゲート」問題でトランプ大統領も捜査対象になったことが明らかになったことで、政治的リスクの不透明さは続くことになります。そのためトランプ政権の減税政策などの経済政策が遅れることになるのは、当面のアメリカ株式のサポート要因が欠けることになります。また、原油安が続けば世界的な景気減速懸念でドルが売られて円高方向となる可能性はあります。 ただし、日本株式は主要国の株式からみて割安(今期PERは14倍前半)となっており、海外環境が落ち着いていれば水準訂正の動きとなってきます。基本的には19,900~20,300円のレンジが想定されます。週の終値で2万円を守っていれば2万円台での値固めが進んだことになります。

6月19日(月)は、先週末にNYダウが最高値更新し、円相場もドルに対して伸び悩んだことで△31円の19,974円で始まり、一段高となって△144円の20,087円まで上昇し、その後は伸び悩むものの大引けにかけて高値圏を維持しました。しかし、売買代金は1兆9,867億円と2兆円割れと低調でした。上昇したのはNYダウの最高値更新を受けて日本株の割安感が意識されたうえに為替の安定が相場をサポートした形となりましたが、売買代金や出来高をみるように現時点では買い上がる材料が見当たらず、個別株主体の相場が続いて指数は値固めの動きとなりそうです。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、FOMCでの6月利上げのあとの今後の利上げペースに注目とし、先週アメリカでハイテク株が急落しているので日本のハイテク株には悪影響になるとしました。下値ポイントは、まず終値で25日移動平均線(6月12日(月)時点19,835円)を守れるのかどうかに注目としました。

結果的に、週始めは前日のアメリカでナスダックの下落を受けて▼104円の19,908円で始まり、その後は円高を受けて急落し6月15日(木)には前日のアメリカ市場で低調な経済指標を受けて2カ月ぶりの1ドル=108円台となったことで一時19,755円で下げ、終値では▼52円の19,831円と25日移動平均線で止まりました。週末は急速な円安進行となって一時2万円を回復したものの、△111円の19,943円で引けました。

今週は、大きなイベントもなく海外株式や為替が安定していれば、日経平均は割安感から物色されるものの、中小型株中心となって2万円台での値固めが想定されるところです。今週は基本的にはチャートからは19,900~20,300円のレンジでの値動きが想定されます。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週は、トランプ政権の経済政策の実行期日に不透明なところがあり、トランプラリーの過度な上昇の調整の可能性やFOMCでの今年の利上げペースへの注目から最高値圏でのもみあいが続くとしました。

結果的には、週始めはテクノロジー株の下落が続いたことで反落して始まるものの、その後はテクノロジー株の下げ止まり、FOMCでは6月利上げ決定後もう1回の追加利上げが示唆されてNYダウは高値更新となり、最高値圏でのもみあいが続いて、週末の6月16日(金)は△24ドルの21,384ドルと最高値更新で引けました。柴田罫線でみると2013年10月9日(水)の14,719ドルからの上昇トレンドの下値斜線に上値を抑えられるところに来ています。21,400ドルを大きくぬけることが出来れば一段高となりますが注目するところです。

今週は、長期金利の動向に注目となります。FOMCでは6月利上げを決定し、年内のバランスシートの縮小に言及する一方で、インフレ指標は低下傾向にあるものの、年内あと1回の追加利上げを示唆しました。また、「ロシアゲート」問題では、トランプ大統領自身も調査対象だと発表され、政治リスクは依然として不透明感があります。そうなるとトランプ政権の減税政策の実施もスタートが遅れ、相場のサポート要因には乏しい状況と思われます。最高値更新といっても大きく上昇できず、最高値圏でのもみあいとなりそうです。

NYダウ

 

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、FOMCで6月利上げ決定後の結果発表でバランスシートの縮小や年内の利上げペースがどうなるかに注目となり、強弱感が対立して109~112円のレンジでのもみあいとしました。

結果的には、6月14日(水)の5月小売売上高、消費者物価指数が予想を下回ったことで、一時108円83銭までドルが売られ、その後のFOMCで6月利上げ決定後、年内あと1回の追加利上げを示唆したことでドルが111円近辺まで買い戻されました。また、6月16日(金)の日銀金融政策決定会合では、金融緩和の出口戦略についての黒田日銀総裁の言及がなかったことでドルが111円42銭まで買われました。しかし週末にはアメリカの経済指標が予想を下回ったことで再びドルが110円63銭まで売られ110円87銭で引けました。円は108円83銭の円高から111円63銭の円安と大きな上下動となりました。

今週は、ドルの上値は重くなりそうです。FRBはFOMC後に年内あと1回の追加利上げ(年3回の利上げ)を示唆しましたが、市場は目先の経済指標が悪化していることからFRBの強気の見方に懐疑的となっています。長期金利がそれほど上昇しないため、ドルも上昇できないでいますので、今後のドルは長期金利との相関性を強めていくことになりそうです。先週と同じく109~112円のレンジを想定。

ドル/円