投資のストレスとは上手につきあうしかない

投資初心者も、投資経験者も、等しく悩ましいテーマは投資のストレスです。自分の投資した資産が自分の力の及ばない世界で価値を変動させていくことは投資の魅力でもありますが、少なからずストレスでもあります(いわゆる「お金にも働かせる」ですが、望んだとおり働いてくれるかは不確定です)。

特に価格が元本割れのほうに動いているとき、ストレスは大きくなります。投資初心者の場合、大事な資産が目減りしていくことがつらく感じられ、あきらめて売るべきか悩みます。理屈として回復可能性があるなら持ち続けなさいというアドバイスが理解できても、元本割れしている事実はストレスとして残ります。しかし、数十円の値動きすら気になるようでは投資のストレスも過敏症の状態です。

投資経験者はちょっとした元本割れには動じなくなりますが、こちらもいいことばかりではありません。というのも、値下がりを看過する余地が大きくなるからです。投資初心者が数十分置きに時価をチェックしていたようなことを投資経験者はしなくなりますが、まめにチェックしなかったところ、気がつけば思っていたより価格が下がっていた、というのでは行きすぎです。こちらは例えるなら投資ストレスの不感症でしょうか。

それぞれ、投資ストレスとの距離感を調整する必要がありそうです。なんとなく投資をするステージから脱却するヒントとして、それぞれ対策を考えてみましょう。

投資ストレス過敏症症候群の症状と対策

まず処方箋を考えてみたいのは、投資ストレス過敏症です。この症例が出やすいのは投資の初心者です。投資初心者ほど、小さな値動きにも敏感に反応してしまうため、過敏症になりやすくなります。

株価の上下動について最新価格が気になり、何度もリロードを繰り返すのは投資初心者のよくある習性です。しかし、実際には売る予定もない銘柄について何度も価格をチェックし、ただ板を眺めているのはあまり意味がありません。むしろ貴重な時間を相場ウォッチで費やしてしまうわけで、仕事に支障が出ることもあります。

初めて株を買った数週間くらいはそれも経験ですが、過敏症が仕事や日常生活にも影響を及ぼすのでは投資と自分の人生の主従関係が逆転しています。まさに過敏症の悪影響が出ています。

まずは、マーケットが開いている時間の相場ウォッチはやめて、「チェックするなら終値で」くらいのスタンスに移すことが必要です。スマホやPCのブラウザがあっても仕事に専念するなどして、メリハリをつけてください(SNS断ちに似てますね)。

市場の急落が気になる、といっても、終値でチェックし翌日の寄り付きで売るくらいでも十分なはずです。投資初心者の投資額はそれほど高額ではないはずですから、ダメージも限定的です。それに1日下落しても翌日に戻すこともしばしばで、むしろそうしたストレスに慣れていくことを意識していきましょう。