昨日(2017年06月09日)の動向

この日の米ドル/円の安値は、東京時間朝につけた109.74円。ポンド/円は英総選挙で3円近く急落しましたが、米ドル/円はほぼ無傷でした。安値後は上昇を続け、NY時間には110.81円まで上昇しました。

ポンドやユーロが、英総選挙で保守党が敗北したこと、またECBが欧州のインフレ見通しを下方修正したことで評価を下げ、ドルが相対的に見直されたことが理由。株式市場も、日経平均が終値で2万円を回復し、英国のFT100は1%を超える上昇、NYダウも一時最高値を更新するなど、リスクオンのムードは損なわれなかったこともドル高・円安につながりました。NY時間の午後は利食い売りやNY株の調整などで下げ、終値は110.315円(前日比+0.317円)。

ポンドは大幅下落。ポンド/ドルは東京市場オープンと同時に売られ、1.2950ドルから1.27ドルを割るまで急落しました。その後は開票速報が出るたびに上下動を繰り返しましたが、保守党の敗北が決定すると一段安となって欧州市場で1.2635ドルの安値をつけました。

英総選挙の最終結果は、保守党が318議席、最大野党の労働党が262議席でした。与野党とも単独過半数を獲得できずに、英議会は「ハングパーラメント(宙ぶらりん議会)」となることが確定的。現時点では、メイ英首相は続投を表明しており、アイルランドの保守政党、民主統一党(DUP)との連立を模索しています。

メイ首相は、EU単一市場から完全撤退するといった、「ハード・ブレグジット(EU強硬離脱)への支持を訴えましたが、結果は失敗に終わりました。ポンドは急落しましたが、売り一巡後は次第に落着きを取り戻し1.27ドル後半まで反発する場面もありました。またロンドン株式市場は逆に上昇しています。メイ首相がソフトブレグジットへ路線を変更してくれることへの期待が強いようです。英国はEU離脱をするけれど、「不利な条件を呑むくらいなら、決裂したほうがまし」といったメイ首相の強硬姿勢でEUと完全に手を切ることまでは望んでいないのです。労働党は、「ソフト・ブレグジット」を主張しています。

とはいえ、今回過半数を取れなかったことでブレグジット交渉における英議会内の意思統一が困難な状況となり、ポンドの中長期的凋落要因が強まったことは確かです。

2017年06月09日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 109.819 110.810 109.749 110.305
ユーロ/円 123.269 123.859 122.808 123.499
豪ドル/円 82.683 83.393 82.629 83.065

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2017年06月12日)の展望

【米ドル/円】

レジスタンスは110.85円(2017年06月09日高値圏)、サポートは 109.70円(2017年06月09日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 110.85 111.95 109.70 108.85

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

ユーロ/円のレジスタンスは124.70円(2017年06月05日高値圏)、サポートは 122.30円(2017年05月03日安値圏)です。
ユーロ/ドルのレジスタンスは1.1270ドル(2017年06月08日高値圏)、サポートは 1.1095ドル(2017年05月19日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 124.70 125.45 122.30 121.85

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

レジスタンスは83.90円(2017年05月25日高値圏)、サポートは 82.55円(2017年06月08日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 83.90 84.05 82.55 81.75

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2017年06月12日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2017年06月12日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★ 27:00 (米) 5月月次財政収支 -870億ドル 1824億ドル
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します

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