• 金(ゴールド)、夜間取引時間帯のデイトレードアイディア

    デイトレード銘柄として国内商品先物の金に注目する

    夜間取引時間帯の取引量が増加傾向

    取引量が増える時間帯に短時間で毎日できる一定の売買ルールを定めて取引する

    2015年4月からのバックテストでは16勝11敗

デイトレード銘柄として国内商品先物の金に注目する

以下の図のとおり、長期投資・短期投資または国内市場・海外市場、現物・先物など、金(ゴールド)への投資方法はさまざまである。

分散投資や通貨代替、インフレヘッジなど、長期投資のイメージが強い金ではあるが、昨今の市場環境の変化などから、金をデイトレードの対象として見ることも一つのアイディアではないかと考えている。

図1 さまざまな金への投資方法 (楽天証券で取引ができる投資商品より)

出所:筆者作成

今回は金の短期投資(デイトレード)に焦点をあてて、国内商品先物の金の具体的な売買のアイディアについて記したい。

夜間取引時間帯の取引量が増加傾向

デイトレードにあたっては、売買を行う時に市場の取引量が多いことが必要な条件と考えられる。

取引が少ない状況では、注文を出した際、買いの場合は意図した価格よりも高く、売りの場合が意図した価格よりも安く約定する可能性が高まるためである。

この取引の量について、東京商品取引所の金市場では、2013年から今年にかけて夜間の時間帯に取引が増加するという変化が生じている。

図2 東京金の時間帯別出来高の推移 (単位:枚)

出所:チャート分析ツール「Futures Analyst」より筆者作成

2014年より一日の中で22時から23時あたりの売買が増加していることが見て取れる。

夜の時間帯の売買の増加していることについて、海外勢(特にアメリカ勢)の売買の増加がその理由の一つであると考えられる。

図3 海外勢の売買枚数の推移

出所:東京商品取引所公表のデータより筆者作成

海外勢については、図3のとおりアメリカ・オーストラリア・シンガポール・香港で多数を占めているが、日本の夜間取引時間帯の売買増加に寄与するのはアメリカ勢の売買によるものと推測される。

図4 アメリカ勢の売買の推移と東京金全体に占めるアメリカ勢の売買の割合

出所:東京商品取引所公表データ・チャート分析ツール「Futures Analyst」より筆者作成

アメリカ勢の売買増加が一因となり夜間取引の売買が増加し、東京金全体の夜間取引の売買が増加。その変化が夜間取引の時間帯においてデイトレードに必要な環境である取引量の増加に結びついていると考えられる。

取引量が増える時間帯に短時間で毎日できる一定の売買ルールを定めて取引する

上述のとおり、東京金の22時から23時あたりの夜間取引時間帯の売買が増加していることを受け、当該時間帯での売買のアイディアを挙げてみたい。

手順は3つである。

  • 22時55分から23時00分の値動きをチェックする
  • 23時から23時10分の間で、①の高値を超えたら買い建玉、安値を下回ったら売り建玉する(条件を満たさなければ売買は行わない)
  • 23時10分に決済する(②で建玉した場合)

具体的な時間帯と売買を行うかどうかの条件は以下のとおりである。

図5 東京金の夜のデイトレードのアイディア

出所:筆者作成

2015年4月からのバックテストでは16勝11敗

以下は上記のデイトレードのアイディアを過去のデータに当てはめたバックテストの結果である。

バックテストの条件は以下のとおり

  • 建玉枚数は1枚 参考:1枚あたり120,000円(2015年5月15日時点)
  • 手数料320円(税込1枚あたり)
    ※手数料は楽天証券の商品先物手数料コース「一律コース」で計算 2015年5月15日時点
  • 建玉値段は、買いの場合22時55分から23時00分までの5分間の高値+1円、売りの場合、同時間帯の安値-1円。

図6 バックテストの結果

出所:筆者作成

図7 損益計算例

※手数料は楽天証券の商品先物手数料コース「一律コース」で計算 2015年5月15日時点

出所:筆者作成

相場が思惑と反対に推移した場合は損が発生します。当情報はあくまでも筆者が考える売買のアイディアの一つです。バックテストの結果は筆者によって計算された過去のデータを参照したものであり、今後の売買の結果を保証するものではありません。売買によって発生する損益はすべてお客様に帰属することをご留意の上、お客様のご意思で売買を行うかどうかご判断ください。

※レポート内で使用しているデータについて
特にことわりがない限り、国内商品先物銘柄は6番目の限月(期先)を、海外商品先物はその時点で取引量が最も多い限月(中心限月)のデータを採用。