図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
貴金属市場、夏休み突入(2016年7月25日(月)掲載分より)
今週はより夏枯れの様相を呈してきました。ゴールドはドル高に反応して一時1,310ドルまで下げましたが、そこで切り返し、1,310-1,338という狭いレンジの中で一週間の終値は1,322ドルとほぼレンジ真ん中での引けとなりました。まだまだ史上最高レベルにある投資家のゴールドロングポジションですが、その割には下げも限定的、まだまだ投資家はゴールドを完全に手放す心理状態とはほど遠いようです。今週末はまた今度はドイツでの発砲事件、そしてパキスタンではISのテロにより80人以上が死亡というニュースが出ています。ドル高である程度売られはするものの、まだまだゴールドを持っておきたいという意欲は強く、やはりゴールドの下げは限定されると思います。Nymexの投資家ゴールドロングポジションも6週間連続の1,000トン越えを維持。夏休みで来週以降はもっと静かになると思われますが、底堅い動きとなると予想します。
CFTC Commitments of Traders Report as of 19 Jul 2016(2016年7月25日(月)掲載分より)
投資家ロングは1,111 トンから1,084トンへ27トンの減少。株・ドルの戻しにゴールドは素直に反応。しかしまだ1,000トン以上のロング。6週間連続は2010年9月から10月の5週間連続を越えて史上最高。ちなみに当時の価格は1,265ドルから1,365ドルは上昇。価格位置は似ています。
Gold底打ち戻り、Pd 続伸(2016年7月22日(金)掲載分より)
昨日のアジア午前中にこのところの最安値1,310ドルをつけましたが、その後はドル高いっぷくとなり、それにつれて今度はゴールドには買い戻しが入り上昇しました。その流れは特にNY時間には顕著になり、結局ふたたび1,330ドル台にまで戻して一日が終わりました。やはりゴールドは底堅い、これだけのロング残があり、そして株価が好調、ドルも戻しているのに、さして下がらない、それどころか、少しでもそういう状況が緩むとすぐにこうやって上がってきます。やはりまだまだ投資家は不安なのだと思います。ということでゴールドは利食いの売りをはさみながらも基本的にはロングキープの投資家そして下がったら買いの投資家が大多数で、ショートで勝負というところには行かないと思います。まだまだしっかりした展開が続きそうです。
そして注目のパラジウムはまだまだ続伸で684ドル。もう700ドルが目の前に見えてきました。プラチナも1,100ドルを回復、シルバーは20ドルには届きませんでしたが、19.20から19.80まで大きく戻しました。
ドル高ゴールド安、でもPd 続伸(2016年7月21日(木)掲載分より)
ドル高、それに呼応したゴールド安となりました。ゴールドはアジア時間は1,333ドル前後でほとんど動かず、まさに夏枯れの様相を呈しましたが、アジアが終わってからの欧米でだらだらと下がり続け、NYでは一時1,313ドルまで下げて、ほぼ3週間ぶりの安値となりました。
昨日、Metals Focusの友人とランチで話をしましたが、彼はゴールドは一度1,250ドルくらいまで下げる必要があると言っていました。それはあまりにロングが増えすぎているから、ということで、つみあがっているComexの史上最大のロングやETFのポジションがある程度整理されてから再び上昇というのが健康的、という見方でした。どこまで下げるかについてはわかりませんが、ポジションが積みあがり過ぎてることは僕も日ごろから言ってることで賛成。この内部要因がゴールドのもっとも大きな下値不安材料であるところはきっとわれわれのみならずマーケットの参加者の多くが感じているところだと思います。ただこれだけのポジションがあって、これだけ株が上がっているのに、大きく売られないというのは、投資家の株の買いはトレンドに乗るため仕方なく、でも本当は信じてるわけではない、だからゴールドのポジションもやっぱり捨てるわけにはいかない、というそんな感じかね~と二人で話していました。
今回の下げ、その要因がドル高(円安)であるだけに、円建てのゴールドはほぼ動かず。4,530円前後でこのところの高値圏を維持したままです。シルバーは20ドルを維持できなかったことで、19ドル前半まで下がりました。そんな中、PGM、特にパラジウムはドル高まったく関係なく上昇を続けています。昨日もさらに上昇しました。700ドルに近づきつつありますね。ドル建てでは6月半ばの520ドル台から150ドルの上昇、円建てでは同時期の1,790円から現在は2,310円と大きく上げています。やはりパラジウムはポテンシャル高しですね。需給がしまっているところに、中国と米国での自動車販売が好調。ゴールドからの投資家の目がこちらに向いてくるとこのように上げ足が早くなってきます。
Summer Doldrums(2016年7月20日(水)掲載分より)
やっぱり夏枯れ。昨日もほとんど目立った動きのない一日となりました。そんな中、パラジウムだけはまだ上昇を続けており、昨年11月以来の650ドルを超えました。下げるときはずっと下げるし、あげるときはずっとあげますねえ、このメタル。
トルコクーデタにも反応薄(2016年7月19日(火)掲載分より)
週末のトルコのクーデター未遂にはびっくりしましたが、週末の間にその帰趨が明らかになったことから、マーケットにはあまり大きな影響を与えていません。株式市場も落ち着いた動きでした。Summer holiday season入りのような感じのマーケットになってきました。あまり目立った材料もなく、ここからしばらくはsummer doldrums でしょうかね。ただ、パリ、ニース、トルコそして米国ではBaton Rouge, Louisianaでの警官射殺事件、ドイツでの列車内でのアフガニスタンからの避難民による無差別殺人がテロの可能性、そして今朝の北朝鮮の東海へのミサイル発射など世の中は不安な材料が山盛りです。株価が上がってもやっぱりゴールドはそうそう売れないのでは?
CFTC Commitments of Traders Report as of 12 Jul 2016(2016年7月19日(火)掲載分より)
投資家ロングは1,157 トンから1,111トンへ46の減少。株・ドルの戻しにゴールドは素直に反応。
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