図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

英国国民投票に注目(2016年6月20日(月)掲載分より)

大きく動いた一週間となりました。ゴールドは週初の1,270ドル台から上昇を続け、16日にはとうとう1,300ドルをブレイク、年初来高値である1,310ドル手前で一度反落ししましたが、再び上昇、新高値の1,315ドルを付けました。しかしその直後にさすがの利食い売りが出て、それに呼応してさらにロングからの売りが加速、一挙に1,280ドルまで反落しました。しかし金曜日はまたじわじわと上昇、一週間の終わりは 1,300ドル少し手前まで戻しての終わりとなりました。先週1,300ドルトライへの期待と書きましたが、翌週にして1,300ドルに到達しました。英国のEU離脱に対する世論調査が、離脱が若干有利という報道もあり、結果が見えない状況にやはり基本的に投資家は不安がぬぐいきれず、それがゴールドそしてシルバーに対する買いの源泉になっています。1,300ドル及び、Nymexの投資家ロングポジション1,000トンはやはり高値警戒感を呼び起こし、それが反落の原因にもなっていますが、英国の混乱はこれを吹き飛ばすだけの材料になり得るかもしれません。ロングポジションは再び1,000トンを回復、そして価格も1,300ドルをふたたび回復しそうです。

CFTC Commitments of Traders Report as of 14 Jun 2016(2016年6月20日(月)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

投資家ロングは827トンから1,004トンへ増加。再び1,000トンを越えました。一回700トン台まで反落してからこれだけの短期間で1,000トンを回復した例はこれまでありません。

Gold 1,300ドル到達そして下落(2016年6月17日(金)掲載分より)

とても大きな動きのマーケットとなりました。アジアでは買いが先行、あっさりと1,300ドルをブレイク、一度戻しましたが、アジア時間中に再び1,300ドルを超えました。そして欧米ではさらに上昇、NYで1,315ドルの2年ぶりの高値をつけました。Brexitの国民投票を前にして、とうとう1,300ドル超え、そしてそのレベル上げて行くのかと思いましたが、NYのアフターアワーのGlobexで、今度は大きく下落。ドルが値を戻したことから、利食いの売り、そして高値警戒感(前回の1,300ドル超えと同様に)も手伝い、雪だるま式に売りが膨らみ、あっという間に昨日のアジアの始まり(1,293ドル)をも下割り、これを書いている東京時間朝4時過ぎ現在1,282ドル台と高値からなんと33ドルもの大きな下落となっています。やはり1,300ドル超えは相当の高値警戒感そして、おそらくNymexでの投資家ロングも鬼門である1,000トンを超えていたのかもしれません。23日の投票を控えて非常に神経質な激しい動きのマーケットになりそうです。

Gold今度は上値トライへ?(2016年6月16日(木)掲載分より)

FOMC終了までは1,278-1,287ドルでの静かなマーケットでした。アジアは1,282-1,286とても静かでした。そしてFOMCが今朝東京時間午前3時終了、予想通りの金利据え置きに、ゴールドは上昇しました。高値は1,297ドルでした。5月の雇用統計の結果を受け、1月のFOMC以来初めて、理事全員一致で金利据え置きを決定しました。

英国国民投票まで一週間をきって、離脱派の勢いが増しています。FTの調査では離脱が47%で残留43%を上回ったとしています。これもまたゴールドへの買いを呼び込んでいます。Gold ETFは増え続けており、SPDRはとうとう900トンを超えました。続きますゴールドへの資金流入。そしてここ2日間書いているゴールドトプラチナのスプレッド、等々史上最大値をあっさり更新しました。夕べ320ドルまでありました。まだ広がりそうですね。

Gold ?Pt Spread過去最大に並ぶ(2016年6月15日(水)掲載分より)

なんら状況変わらず。ゴールド、シルバーは買われて、PGMは買われず、逆に少し売られました。昨日「そしてこれまた昨日書いた通り、買われるのは貴金属ではゴールドとシルバーのみ。PGMはスルーされており、やはりGold- Plat Spreadはまた広がり現在292ドル。再び史上最大の逆転スプレッドの310ドルに近づきつつあります。このままいけばその更新もありえるかもしれません。」と書きましたが、一日でそのレベルに来てしまいました。今の状況を考えると更新されるのは必至ですね。今朝の新聞にも出てましたが、あれ昨日のこのレポートが発信源です。笑。ドイツ国債10年物も昨日初めてマイナス金利に。安全選好が進んでいます。

ゴールドは昨日の高値はほぼ1,290ドル。1,300ドルまであと10ドルというところまできましたが、英国の投票までまだあと一週間。1,300ドルはトライするのでしょう。英国がstayを選ぶのかleaveを選ぶのかによってゴールドは大きくその相場が変わるでしょう。Leaveとなった場合は1,400ドル、なんて声も出ています。あながちないことではないと僕も思います。

Gold&Silver続伸(2016年6月14日(火)掲載分より)

近いうちに1,300ドルトライでは、と昨日書きましたが、やはり上昇。また直近5週間の高値更新で昨日はまた10ドル上昇、1,287ドルをつけました。それに対して日経平均は600円近い下落、NYダウも反落で、6/23日が近づくにつれて投資家は不安ヘッジでゴールドを買っているようです。英国の新聞The Guardianの世論調査では、EU離脱派が6%リードと、その不安に油を注ぐような数字が出てきています。Cameron首相やObama大統領のEUへの残留の訴えにもかかわらず。こうなってくるとこの結果が出るまではマーケットは神経質な動きになりそうです。買われるのは、ゴールド(シルバー)、米国債、日本円そしてスイスフランでしょうか。

そしてこれまた昨日書いた通り、買われるのは貴金属ではゴールドとシルバーのみ。PGMはスルーされており、やはりGold- Plat Spreadはまた広がり現在292ドル。再び史上最大の逆転スプレッドの310ドルに近づきつつあります。このままいけばその更新もありえるかもしれません。英国国民投票の行方次第。フロリダでの銃撃事件が再びイスラム(異文化勢力)への敵意を助長し、英国のEU離脱、米国のトランプ候補支持に勢いがつくのではないかと心配です。