【米ドル/円】 米経済指標が好感され一時91円後半レベルまで上昇
【豪ドル/円】 底堅い動きに 中国の所得税減税報道などが下支え
【※豪ドル/円は画面下段に掲載されています】

 

【米ドル/円】米経済指標が好感され一時91円後半レベルまで上昇

昨日までの動向

米ドル/円は昨日、小陰線引けとなりました。
東京市場で米ドル/円はやや軟調に推移。海外のクリスマス休暇で取引量の薄い中、年末年始の休暇を前にした国内輸出企業からの米ドル売り/円買いや上値の重さを意識したドル売りなどにより米ドル/円は91円台後半レベルからじりじりと値を下げ一時91.20-25レベルまで押し戻される動きとなりました。

なお、東京時間朝方、財務省と内閣府が発表した2009年10-12月期の法人企業景気予測調査(※前期比で景況が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた数値)では、円高やドバイショックによる海外市場の混乱を受け輸出産業に減速感が広がったことや、デフレを背景にした国内の消費不振が深刻化していることなどが影響し、自社の景況感を示す景況判断指数は、大企業・全産業がマイナス1.9となり、7-9月期のプラス0.3からマイナスに転じました。

また、白川日銀総裁は日本経団連での講演で「日本経済の自律的な回復力はなお弱い」、「来年春先ごろは景気の勢いが一時的に鈍化する可能性もある」などと発言。ただ、その後に発表を控える米国の経済指標を見極めたいとの見かたも強く、市場の影響はいずれに対しても限定的に留まりました。

欧米市場に入り米ドル/円が反発。
米先週分新規失業保険申請数や11月耐久財受注が予想よりも改善したことを受け米国株が上昇。債券利回りも上昇(※債券価格は下落)したことで金利差面で対円で米ドルを買い戻す動きが一時優勢となり、米ドル/円は91.75-80レベルまで再び上昇する展開となりました。

米労働省が発表した19日までの最新週の新規失業保険申請件数は、前週から2万8000件減少し、結果は45万2000件と事前予想の47万件を大きく下回る内容となりました。

また、米商務省が発表した11月の耐久財受注額は前月比0.2%増と、前月の0.6%減からプラスに好転。さらに、輸送用機器を除いた耐久財受注は前月比2.0%増となり事前予想の1.1%増を大きく上回るとともに、前月分も1.3%減から0.7%減に上方修正されました。

米雇用環境の改善期待や米景気回復に対する期待への高まりから米国株式相場は上昇。ダウ平均は53.66ドル高の10520.10ドルとなり年初来高値を更新。指標発表後、米ドル/円も91.75-80レベルまで急伸する動きとなりました。

ただ、この日は、新規失業保険申請件数と耐久財受注の経済指標以外には目立った材料が見当たらず、クリスマス休暇を前に流動性が薄いため値動が激しく、やや過剰な反応となったもよう。クリスマス前日で、短縮取引となった株式市場の終了後に米ドル/円は伸び悩み、91.30-35へ下げたのち、91円台なかばレベルに戻す動きとなりました。

本日の展望

目先の主要抵抗帯と目された一目均衡表の雲を上抜き短期的には上昇トレンドを継続。まずは一目均衡表の雲の上の水準を維持できるかが焦点となりそうです。本日、一目均衡表の雲の上限(先行スパン2)は90.25レベルにまた、雲の下限(先行スパン1)は90.05レベルに位置しています。

ただ、先行スパン1と2の幅(抵抗帯)は収縮し、数十ポイント程度と非常に薄くなっており、下押しにより下落した際、同抵抗帯を維持できるかを見極めたいところです。

一方、上値では92.00レベルが心理的な抵抗線として寄与しているようです。10月27日の高値92.30-35レベルなどをしっかりと上抜け92円台定着となるかが焦点となりそうです。

本日はクリスマスでほとんどの市場は休場となります。また欧米時間では経済指標の発表などの材料も特に予定されていません。市場参加者の減少により流動性も低下していることから、ちょっとした材料で値が飛びやすく、思わぬ価格変動にも注意を要したい場面です。

本日の主な指標

本日、主な米国の経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円】底堅い動きに 中国の所得税減税報道などが下支え

昨日までの動向

豪ドル/円は3日続けての陽線引けとなっています。
東京市場前半、豪ドル/円は底堅い動きに。前日の米週間原油在庫統計の減少による資源高が資源産出国通貨である豪ドルの下支えとして寄与したもよう。

また、中国の21世紀経済報道は24日、「中国政府が来年に個人に対して所得税減税を実施する可能性がある」と報道。中国の内需に対して依存度が高い豪州経済にはプラス材料と見る向きから豪ドルが買われ、豪ドル/円は一時80円台後半レベルまで上昇する動きとなりました。

その後は、81円台が上値抵抗線となり、上値の重さを嫌気した調整売りなどに押され、豪ドル/円は80円台なかばレベルにまで小幅に下げる展開となりました。

欧米市場に入り、米経済指標の内容が好感され米ドル/円、クロス円が上昇。世界的な株価の安定化を背景にリスク回避による米ドル・円買いがやや弱まったことなどから豪ドルは対円、対ドルで上昇。豪ドル/円は一時81円台を示現したのち、80円台後半レベルでの推移となりました。

本日の展望

上値ではなかなか抜けきることができない一目均衡表の雲(抵抗帯)を巡る攻防が焦点となりそうです。

本日、雲の下限(先行スパン2)は80.85レベルにまた雲の上限(先行スパン1)は82.45レベル に位置しています。

一方、一目均衡表の雲(抵抗帯)を上抜け失敗となった場合、上値の重さを嫌気した戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。下値では12月9日の安値79.20-25レベルや11月30日の安値78.50-55レベルなどがあげられます。

市場ではクリスマス休暇と日本の年末年始の連休分の金利差収入(スワップ・ポイント)を狙った短期筋による売買が活発化する可能性を指摘する声が出ています。豪ドル/円を始めとしたクロス/円で、高金利通貨の外貨買い/低金利の円売りが出た場合、外貨高/円安要因となります。ただし、スワップポイントが確定した後の外貨の戻り売りと円の買い戻しのリスクもあり注意が必要です。

マーケットは年末に向けての休暇モードとなっており、動意に欠ける展開が継続しています。欧米市場は25日から27日、英豪市場などは25日から28日にかけて連休入りとなることから、海外連休前のポジション調整による値動きにも十分な注意を払いたいところです。

本日の主な指標

本日、豪州の主な経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。