【米ドル/円】 FOMCの声明を受け底堅い展開に
【豪ドル/円】 7-9月期の豪国内総生産や豪州中銀の副総裁の発言受け一時軟調推移
【※豪ドル/円は画面下段に掲載されています】
【米ドル/円】FOMCの声明を受け底堅い展開に
昨日までの動向
米ドル/円は2日続けての陽線引け。終日を通じて約60ポイントと狭いレンジでの取引となりました。
東京市場では米ドル/円は89円台なかばレベルを中心としたもみ合いに終始。東京市場序盤では、米早期利上げ期待や欧州をめぐる信用不安を背景に前日16日の海外市場の流れを引き継ぎ小幅に上昇。一時89.65-70レベルまで上昇する展開となりました。
その後は、国内輸出企業の米ドル売りに上値を阻まれ、小幅に値を下げ一時89.30-35レベルにまで下げる値動きとなりました。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明に関心が集中するなか、警戒感から大きな取引は手控えられたことから、東京市場は方向感なく、89円台なかばを中心とした狭いレンジでのもみ合いに終始しました。
欧米市場に入り、米ドル/円が上昇。
FOMC声明で、金融当局の景気認識の改善が示されたとの見方から、米ドル/円は一時89.90-95レベルまで上昇する展開となりました。
欧米市場序盤ではFOMC声明発表待ちで様子見ムードが強く、ポジション調整を中心とした小幅な値動きとなりました。NY市場序盤に発表された米11月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.8%となり、事前予想通りとなったものの、10月の-0.2%からプラスに転換。また同時に発表された米11月住宅着工件数は事前予想57.5万件のところ結果は57.4万件に、米11月の建設許可件数は事前予想57.0万件のところ、結果58.4万件となり米住宅市場の改善を意識させる結果となりました。経済指標の内容が好感され、米ドル/円は小幅に上昇する場面も見られましたが、FOMC声明文の公表を控え、いっそうの上値を買う動きとはならず市場の反応は限定的となりました。
NY後半に入り、米ドル/円は一時急伸。
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)会合において、市場の予想通り政策金利となるFF(フェデラル・ファンド・レート)金利誘導目標水準を0-0.25%に据え置くことを決定。また、注目をされた声明においては「政策金利を長期間、異例に低水準とする」との文言が維持されました。
米早期利上げ期待が後退し一時、米ドル売りに傾く場面もありましたが「労働市場の悪化は和らいでいる」、「金融市場、経済成長を一段と下支える状況となった」とし金融市場の機能の改善を受けて、ほとんどの流動性政策を2010年2月1日で終了すると決定。市場は労働市場や金融環境の落ち着きへの言及を確認すると、FRBの景気見通しが改善しているとの観測が浮上。このことが、米ドルサポート要因として寄与したようです。
FOMCの声明を受け米ドルは一時主要通貨に対して上昇。米ドル/円も一時89.90-95レベルまで急上昇する展開となりました。ただ、声明自体に期待される程目立った変更箇所はなかったことなどから、一方的なドル買いには結び付かず、上昇一巡後は89円台後半レベルでのもみ合いとなりました。
その他では格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は16日、ギリシャの信用格付けを「Aマイナス」から「BBBプラス」に1ノッチ引き下げ。格下げの可能性があることを示す「クレジットウォッチ(見通し)・ネガティブ」を継続すると発表。ユーロが主要通貨に対して売られる場面もありましたが、ギリシャの信用格付け引き下げはフィッチ社に続く動きであること、またS&P社が先週「ギリシャの長期ソブリン債格付け引き下げの可能性がある」と既に警告していたことから、市場は今回の格下げは織り込み済みで、先週のようなショックには至らなかったようです。
本日の展望
米ドル/円は目先、心理的節目とされた88円台なかばレベルでサポートされ上昇。テクニカル的には米ドル/円の続伸を期待させる足形となっています。
上値ではここ2日トライして上抜けることができなかった90.00レベルを上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。同レベルをしっかりと上抜いた場合、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)が次の上値ターゲットとなりそうです。
本日、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)は90.25レベルにまた、雲の上限(先行スパン2)は90.65レベルに位置しています。今後、この雲は右肩下がりに傾斜し、雲の下限は87.50レベルに切り下がる形となっています。ただ先行スパン1と2の幅(抵抗帯)は収縮し、約50ポイント程度まで薄くなっています。今後、薄くなった抵抗帯を上抜ける動きとなるかを見極めたい場面です。
一方、90.00レベル上抜け失敗となった場合、上値の重さを嫌気した戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。下値では11日に上抜け成功となった直近上げ幅のフィボナッチ31.8%押しに該当する88.50レベルを維持できるかが焦点となりそうです。
注目されたFOMCが終了したことでやや手がかり材料に乏しい状況のようです。また、クリスマス休暇で欧米の市場参加者が少なくなってきているもよう。材料的には今晩、NY市場では米新規失業保険申請件数、米11月の景気先行指標総合指数、 米12月のフィラデルフィア連銀指数が控えており米国の各経済指標の発表に一応の注意を払いたいところです。
本日の主な指標
東京時間22:30:(米)新規失業保険申請件数 予想46.5万件 前回47.4万件
東京時間24:00:(米)景気先行指標総合指数-11月 予想0.7% 前回0.3%
東京時間24:00:(米)フィラデルフィア連銀指数-12月 予想16.0 前回16.7
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円】7-9月期の豪国内総生産や豪州中銀の副総裁の発言受け一時軟調推移
昨日までの動向
豪ドル/円は昨日陰線引け。 東京市場では豪ドル/円は軟調に推移。昨日、東京時間9:30に発表された7-9月期の豪GDP(国内総生産)が前期比0.2%の増加にとどまり、事前予想の0.4%増を下回ったことが豪ドルの売り材料になりました。
また、RBA(豪州中銀)のバタリーノ副総裁が「金融政策の全体的なスタンスは通常の域に戻った」などと発言し、2010年2月に開催される次回のRBAの理事会での追加利上げ観測が後退したことも豪ドル売りに寄与したようです。豪ドル/円は81円台を割り込み下げ幅を拡大。朝方の高値から約1円下げ、一時80.15-20レベルまで下落する動きとなりました。
ただ、豪州は先進国の中でも今後、堅調な経済成長が期待されることから、下値では投資家の押し目買い意欲も根強いもよう。80円台割れを免れたのち、上昇に転じると豪ドル/円はその後、80円台後半レベルまで持ち直す展開となりました。
本日の展望
豪ドル/円は一目均衡表の雲の下限を下抜ける動きとなるもののその後、一目均衡表の基準線にサポートされ反発。再び雲の中に突入する動きとなっています。
下値では今後も一目均衡表の基準線が位置する80.30-35レベルで下げ止まることができるかが焦点となりそうです。同ラインを下抜き、強弱の分岐点80.00レベルを共に下抜いた場合、10日の安値79.85-90レベルや9日の安値79.20-25レベルを視野に捉えることとなりそうです。
一方上値では一目均衡表の雲の上限(先行スパン1)をしっかりと上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。本日、一目均衡表の先行スパン1は81.90-95レベルに位置しています。一方、一目均衡表の雲の下限(先行スパン2)は80.80-85レベルに位置しています。
目先、一目均衡表は徐々に厚みを増しており、今しばらくは雲の中での推移継続を予想する声もあるもよう。ただその後、「変化日」を表す雲のネジレが観測されています。今後、雲の中での推移継続となった場合、エネルギーを蓄積しつつ、「変化日」付近での上離れ・下離れのリスクにも十分注意を払いたい場面です。
本日の主な指標
本日、主な豪州の経済指標の発表は予定されていません。
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
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