【米ドル/円】米生産者物価指数の上昇などを受け89円台を回復 本日FOMCに要注意
昨日までの動向
米ドル/円は昨日陽線引けとなりました。
東京市場で米ドル/円は底堅く推移。ドバイ救済を受けた信用不安の後退や15-16日の米FOMCでの利上げ前倒し観測に対する警戒感が米ドルの下支えとして寄与したようです。米ドル/円は東京市場を通じ、ジリジリと上昇。89円を上抜くと、米ドル買いを誘発するストップ・ロス注文を巻き込み一段高となり89.25-30レベルにまで上昇する展開となりました。
欧米市場に入り、米ドル/円は堅調地合いを維持。
英フィナンシャル・タイムズ紙は、今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策のスタンスを大きく変更する可能性は低いものの、市中銀行への貸出金利である「公定歩合」の引き上げを決定する可能性や非伝統的な流動性供給措置を段階的に解除する計画について、より踏み込んだ見解を示す可能性があると報じたことで金融引締めへの期待感が強まり、米ドル買いに寄与したもよう。
また、NY時間に発表された米11月生産者物価指数(PPI)は総合指数が季節調整済みの前月比で1.8%上昇し、事前予想の0.8%を上回る伸びを示したことも米国の公定歩合引き上げ観測をサポートする形となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は、景気を下支えするために超低金利政策を続ける方針を打ち出しているものの、生産者物価指数の予想以上の上昇を受けて、先行きのインフレが警戒され米債券利回りが上昇。金利差要因から米ドルは対円で上昇し米ドル/円は一時89.90-95レベルにまで上昇する展開となりました。
また、米インフレ懸念を受けたドル買いに加え、オーストリアの国内銀行めぐる懸念もユーロ売り/米ドル買いに寄与したもよう。オーストリア中央銀行が、国内4位の銀行を「監視リスト」に掲載することを求めたとなど報じられ、銀行国有化による欧州銀行損失の拡大懸念からユーロが対ドルを中心に幅広く売られる展開となりました。
本日の展望
米ドル/円は目先、心理的節目とされた88円台なかばレベルサポートされ上昇。上値では次の心理的節目90.00レベルを上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。同レベルをしっかりと上抜いた場合、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)が次の上値ターゲットとなりそうです。本日、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)は90.25レベルにまた、雲の上限(先行スパン2)は90.70レベルに位置しています。今後、この雲は右肩下がりに傾斜し、雲の下限は87.50レベルに切り下がる形となっています。ただ先行スパン1と2の幅(抵抗帯)は収縮し、約50ポイント程度まで薄くなっています。今後、薄くなった抵抗帯を上抜く動きとなるかを見極めたい場面です。
一方、雲の上抜け失敗となった場合、同レベルを背景とした戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。下値では11日に上抜け成功となった直近上げ幅のフィボナッチ31.8%押しに該当する88.50レベルを維持できるかが焦点となりそうです。
FOMC要注意
東京時間28:15に発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)政策金利に注目が集まっています。
今回のFOMCでは米連邦準備理事会(FRB)は政策金利である「フェデラルファンド(FF)金利」誘導目標を「長期間にわたり異例に低い水準」に維持するというスタンスを維持する可能性が高いとの見方が多いようです。ただ「公定歩合」の引き上げを決定する可能性、非伝統的な流動性供給措置を段階的に解除する計画についてどのような見解が示されるかに注目が集まっているようです。
本日の主な指標
東京時間22:30:(米)消費者物価指数-11月 予想0.4% 前回0.3%
東京時間22:30:(米)消費者物価指数-11月(コア) 予想0.1% 前回0.2%
東京時間22:30:(米)住宅着工件数-11月 予想57.5万件 前回52.9万件
東京時間22:30:(米)建設許可件数-11月 予想57.0万件 前回55.1万件
東京時間28:15:(米)FOMC(連邦公開市場委員会)政策金利 予想0.25% 前回0.25%
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円】
昨日までの動向
豪ドル/円は昨日、小陽線引け。
本日、東京時間09:30に発表されたRBA(豪準備銀)政策会合議事録では「豪州の失業率は上昇する可能性がある」、「コアインフレをCPIは2010年に目標に収まる見通し」といった見解が示されました。景気やインフレへの慎重判断が示されたことで発表直後、豪ドル/円は81円台割れをうかがう動きとなりました。
また、同議事録では「2月まで金利を据え置くことも議論した」、「12月の利上げへの賛否は微妙に均衡していた」との認識を示したことで、一旦利上げサイクルが休止するとの思惑が強まったことがも豪ドル売りに寄与したようです。
ただし、15日に発表された豪州第3四半期新規住宅は事前予想の6.0%を上回る結果9.4%となったことが豪ドルの下支えとなったようです。
欧米市場では豪ドル/円は底堅く推移。
米経済指標が好結果などを受け、リスク志向から円が主要通貨に対して売られる展開となりました。豪ドル/円は81.50-55レベルまで上昇したのち、小幅に値を下げその後、81台前半レベルのもみ合いとなりました。
本日の展望
豪ドル/円は一目均衡表の雲の中を推移。今後、この雲を上下どちらに方向に抜けていくかに注目が集まります。
上値では一目均衡表の雲の上限(先行スパン1)をしっかりと上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。本日、一目均衡表の先行スパン1は81.80-85レベルに位置しています。一方、一目均衡表の雲の下限(先行スパン2)は80.80-85レベルに位置しています。
目先、一目均衡表は徐々に厚みを増しており、今しばらくは雲の中での推移継続を予想する声もあるもよう。ただその後、「変化日」を表す雲のネジレが観測されています。今後、雲の中での推移継続となった場合、エネルギーを蓄積しつつ、「変化日」付近での上離れ・下離れのリスクにも十分注意を払いたい場面です。
なお、本日東京時間09:30に発表された豪州7-9月期GDPは事前予想の0.4%を下回る結果0.2% となったことや、バッテリーノ豪中銀副総裁が同国の金融政策が「通常のレンジに戻っている」と発言。豪州経済への過度な期待や今後の大幅利上げ観測の後退を受け、豪ドル/円は81円台前半レベルから80円台なかばレベルに急落する動きとなりました。
本日の主な指標
東京時間08:30:(豪)ウエストパック先行指数-10月 予想未発表 結果0.4% 前回1.1%
東京時間09:30:(豪)GDP-3Q 予想0.4% 結果0.2% 前回0.6%
東京時間09:30:(豪)GDP-3Q(前年比)予想0.7% 結果0.5% 前回0.6%
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
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