図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

週末の雇用統計が鍵(2015年11月2日(月)掲載分より)

特に目立った要因のない金曜日でした。アジアは動かず、ニューヨークは若干続落。やはり水曜日のFOMC以来、Fedの12月利上げへの疑心暗鬼がメタルの頭を抑えており、買いも手控えられているようです。実需も目立たずだらだらと下げる展開が続いています。こんな形で12月のFOMC待ちになるのでしょうか。今週の雇用統計が非常に重要なキーになりそうですね。

CFTC Commitments of Traders Report as of 27 Oct 2015(2015年11月2日(月)掲載分より)

出所:11月2日(月)の筆者の「Bruce Report」レポートより

投資家ロングは544トンから533トンへ若干の減少。この統計のカットの後にFOMCであったので、来週の数字がそれを反映した形になります。

ゴールド続落(2015年10月30日(金)掲載分より)

昨日のアジアは買い戻しが入りしっかりだったのですが、欧米、特にニューヨークに入ってからは一方向の下落となりました。FOMC後のStatementから「世界経済の先行き不安」という文言が消えていたことが、年内利上げへの決意の表れとして受け取られ、ドル買いがすすみ、それに対してゴールドが売られました。ゴールドは1,150ドルをホールドできず、安値は1,145ドル割れまで沈みました。イエレン議長は年内での利上げにこだわっていますが、これから12月までの間の経済指標次第ということになるでしょう。まだまだわかりませんね。その間もこの1,150ドルを割ったレベルで実需の反応がどうなのかが、重要だと思います。

FOMCでドル買い・ゴールド売り(2015年10月29日(木)掲載分より)

今朝午前3時のFOMCの政策金利発表は予想通りの結果である金利据え置きでした。その前にゴールドは上昇一時1,183ドルまでありました。しかしその後は1,176ドルまで下げてFOMCの発表を向かえ、そのStatementによると12月の会合で政策金利引き上げを検討するとしており、これを受けてドルが大きく買われゴールドが激しく売られ、1,176ドルから1,152ドル台まで一時24ドルもの下げとなり、高値からはほぼ30ドルの下げとなりました。ドルインデックスはまた急騰、97台半ばとなりました。欧州や日本がさらなる金融緩和をやるのかどうかというときに、米国だけは金利上げをどうするかというところ。(今日のStatementを受けてCME Fed watchでは12月の利上げの可能性は47%に上昇しています。)そりゃあ、どう考えてもドル高になるのは避けられませんね。これはゴールドのみならず、またコモディティにとっては強い逆風です。ようやく買い戻されていい雰囲気になってきたところだったのですが。ただ底堅くなってきているので、1,155ドル当たりがとりあえずの抵抗線、持ちこたえればやり過ごせるのではと思います。

ゴールドを積み増すロシアと中国(2015年10月28日(水)掲載分より)

ロシア中央銀行は9月は34.2トンのゴールドを買い、その保有量は1,353トンとなり彼らの外貨準備高に占める割合は13%になりました。わずか数年前は5%を下回っていたことを考えると確実にその量を増やしてきています。ルーブルの信用のため、ですな。同じく6月分から発表を始めた中国も、9月は15トン買い、その総量は1,708トンとなりましたが、外貨準備に占める割合はまだ2%以下です。ロシアと中国だけで9月に50トンのゴールドを買ったということになりますね。その上にNymexの投資家ポジションはほぼ160トンロングが増えており、これだけで200トン以上のゴールドが9月に買われたことになります。(10月はさらに加えて160トン増えてます。)そりゃあゴールド上がって当然ですね。

FOMCとドルの動き待ち(2015年10月27日(火)掲載分より)

10月のFOMCが今日明日とあります。それを前にして狭いレンジでの動きに終始した相場でした。ここまで上昇してきましたが、FOMCによるドルの動きをみてみたいということでしょう。先週までの上げも、ドルの戻しで一服です。CFTCの先物のポジションをみても、ずいぶんと増えてきたので、ドルの動き次第では、このポジションが逆に売りが出てくる要因になりえますね。他の通貨がみんな金融緩和の方向に動いているのでなおさらです。今日は様子見のマーケットになりそうです。

CFTC Commitments of Traders Report as of 20 Oct 2015(2015年10月27日(火)掲載分より)

出所:10月27日(火)の筆者の「Bruce Report」レポートより

投資家ロングは398トンから一挙に544トンへ先週の100トンの増加を超える146トンもの大幅な増加になりました。ゴールドへの資金流入が如実に現れています。投資家ロングの500トン超えは今年2月以来のレベルになります。ちなみにそのときのゴールド価格は1,200ドルをちょっと超えたレベルでした。