【米ドル/円】バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言受け一時乱高下
昨日までの動向
米ドル/円は昨日陰線引けとなりました。
東京市場では、米ドル/円は軟調に推移。国内輸出企業の米ドル売り/円買いが一時活発化。久しぶりの90円台乗せとなったことから、これまで円高局面で米ドルを売れなかった国内輸出企業が米ドル売りを出したもよう。また、先週末の米11月雇用統計発表後、ドルを買い上げた短期筋による利益確定のドル戻り売りも米ドル/円の上値を抑えたようです。一方、日経平均の上昇や米債金利の上昇によるドル押し目買いも根強く、その後米ドル/円は下げ渋り売買が交錯するなか89円台後半レベルでのもみ合いとなりました。
欧州市場に入り、米ドル/円は底堅く推移。
主だった経済指標の発表などがなく動意に乏しい中、米ドル/円は90円台に向けてじりじりと上昇を再開。先週金曜日の雇用統計の好結果を受け米経済に対する楽観論が拡大。週明けの海外市場での流れを引き継ぎ一時米ドル買いが優勢となりました。
NY市場に入り、米ドル/円は一転、軟調に推移。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の米経済に関する慎重な発言を受けて一時、米ドル売り/円買いが加速しました。同議長はワシントンの講演で「景気回復が自立的になると確信できるまでにはしばらくかかる」と発言。米経済は改善したものの、回復は依然ぜい弱で失業率は当分の間、高止まる可能性がある、との見解を示しました。また現状の低金利政策の時間軸に関しても「引続き長期間( for an extended period)の低金利を予想している」と述べるに留まりました。
前週末4日に発表された11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回る減少にとどまったことを受け、FRBが2010年半ばにも利上げするとの見方が広がりつつありましたが、現行の超低金利政策を長期にわたって継続する方針が改めて示されたことで、米雇用情勢の改善期待を背景とした米国の早期利上げ観測が後退。目先の「金融政策」、「出口戦略」にも特にふれられなかったことなどから失望を誘い、FRB議長の発言後、米ドルが全面的に売られる展開となりました。米ドル/円は一時89.00-05レベルにまで下げ幅を拡大。その後上下に乱高下したのち、89円台なかばレベルに値を戻す荒い値動きとなりました。
本日の展望
一目均衡表の雲の下限に上値を阻まれ、反落となりました。直近の下値目途として88円台なかばレベルや88円ちょうどレベルなどがあげられます。米ドル/円は短期的に買われ過ぎの状態にあり、昨日の下落は価格調整の範囲内ではあるものの、米ドル/円は雇用統計発表前後にドル高ピークを付けて、その後反落に転じるという今年多く見られるパターンとなりました。今回も同様の展開を懸念する市場参加者も少なくなく、思わぬ深押しにも注意を払いたい場面です。
一方、上値では昨日上値をはばまれた一目均衡表の先行スパン1(雲の下限)を上抜けられるかが焦点となりそうです。本日同ラインは90.45-50レベルに位置します。
本日の主な指標
本日、主な米国の経済指標の発表は予定されていません。
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円】
昨日までの動向
豪ドル/円は昨日、陰線引けとなりました。
東京市場で、豪ドル/円はやや軟調に推移11月ANZ求人広告件数は前月比+5.2%となり前月の-1.7%を大きく上回る内容となり、豪州の雇用改善の継続が認識されたことに加え、先週末の米雇用統計の改善を受けた世界景気の回復期待により、豪州の10年債金利が一時急上昇し、金利差要因により、豪ドルの下支えとして寄与しました。
一方で、ドル高、資源安や先週からの大幅上昇の過熱調整が豪ドルの上値を抑えたもよう。先週末の米雇用統計の改善を受けたドル高と米債金利の上昇により、ドル調達キャリートレードの巻き戻しが継続。金、原油などの資源価格が下落しており、これまでリスク選好相場で買われていた欧州通貨や資源産出国通貨の重しとなったようす。
欧州勢参入後、豪ドル/円は一時下げ幅を拡大。
ドバイ債務問題への懸念再燃により英ポンドを中心にクロス円が下げる展開となりました。英タイムズ紙による「英銀は新たなドバイの債務危機に直面」との記事が引続き嫌気された。同紙はドバイ債務問題の悪化による大手英銀の不良債権増加の可能性を指摘。リスク回避の動きが強まり円と米ドルが強含むとともにユーロ、英ポンドが対円、対米ドルで一時下落。クロス円の下落に牽引され豪ドル/円も一時81円台なかばレベルまで下げる展開となりました。
NY市場では、81円台で横ばいに推移。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演での発言を受け一時上下に振れる動きとなったものの、その後はおおむね81円なかばから後半レベルでのもみ合いとなりました。
本日の展望
豪ドル/円は昨日の反落に転じるも、一目均衡表の雲の上限でサポートされる形となっています。今後は一目均衡表の上限を維持できるかを見極める場面にあるようです。
日足では雲の上限(先行スパン1)は81円台なかばレベルにまで緩やかに下落したのち、82円台後半に切り上がる推移となっています。このまま雲の上限の上抜けを維持した場合、下値リスクが一服し、同ラインでの下固めに移行する展開が予測されます。一方、同ラインを下抜け定着となると11月26の急落同様の現象も予想され要注意。また、目先では「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されています。
本日の主な指標
東京時間:09:30 (豪)NAB企業景況感指数-11月 結果10 前回12
東京時間:09:30 (豪)NAB企業信頼感指数-11月 結果19 前回16
東京時間:09:30(豪)経常収支-3Q 予想-166.5億豪ドル 結果-161.83億豪ドル 前回-131.33億豪ドル
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
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