【米ドル/円】11月の米雇用統計の改善受け急上昇

昨日までの動向

東京市場では米ドル/円は堅調に推移
輸出企業の実需の米ドル売り/円買いや日経平均の軟調展開を見て一時88円ちょうど近辺まで下げる場面もありましたが、下値では投資家の買い意欲も根強く、88円台前半レベルで落ち着いた値動きとなりました。

また、マーケットの一部では一部通信社が報じた「日本政府が米国債1,000億ドルの売却計画を米政府に通達する」との憶測が一時思惑を呼び米ドル/円が小幅に上昇する場面も見られましたが、その後、平野官房長官が財源捻出のための米国債券売却に関して「政府は考えていない」との否定発言で市場の影響は限定的となりました。

NY市場で米ドル/円が約2円を超える急上昇となりました。
4日に発表された、11月の米雇用統計で失業率・非農業部門雇用者数変化が共に予想を上回ったことが好感されました。米労働省が発表した11月の非農業部門就労者は1.1万人の減少で、予想された12.5万人の減少から大幅に改善。なお、非農業部門雇用者数は、10月は-19.0万人から-11.1万人へ、また9月は-21.9万人から-13.9万人へ修正され、合計で15.9万人の改善となりました。加えて、10月に26年ぶりの高水準にあたる10.2%をつけた失業率は、事前予想10.2%のところ今回10.0%に低下しました。

米国11月の雇用統計改善を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測台頭で米国債券市場では短中長期の金利が急上昇(※債券価格は下落)なかでも米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策同呼応に最も敏感な短期米国債が、大きく売り込まれました。

米国11月の雇用統計の発表後、米ドル/円は急伸。88円台前半から90.70-75レベルまで上昇し、90円台なかばレベルでNYクローズを迎えました。

本日の展望

4日連続の陽線引けとなり、昨日は実体部で2円を超える大陽線引けとなりました。 昨日の上昇で10月27日の高値92.30-35レベルを起点としたフィボナッチの50%戻しに該当する88.55-60レベルや61.8%に該当する89.40-45レベルをしっかりと上抜くなど、テクニカル的には米ドルの続伸を期待させる足形となっています。

次の上値ターゲットして10月27日の高値92.30-35レベルを起点としたフィボナッチの76.4%戻しに該当する90.50-55レベルや週末4日の高値90.70-75レベルをしっかりと上抜く事ができるかが焦点となりそうです。

一方、米ドル/円は短期的に買われ過ぎの状態にあり、一目均衡表の雲の下限を背景に価格調整による米ドル売りにも注意を払いたい場面です。下値ターゲットとして89円台なかばレベルや88円台なかばレベルなどがあげられます。

本日の主な指標

東京時間:29:00(米)消費者信用残高-10月 予想93億ドル減 前回-148億ドル減

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円】続伸 米雇用統計の改善受けリスク選好姿勢の円売り優勢に

昨日までの動向

豪ドル/円は4日続けての陽線引けとなりました。 11月のカナダ雇用統計(加失業率11月: 事前予想8.6%→結果8.5%。雇用ネット変化率:事前予想1.50万人増→結果7.91万人増)や米雇用統計が予想を上回る強い結果となり、リスク選好による円売りが加速。豪ドル/円は一時82.90-95レベルまで急上昇する展開となりました。

ただ、米ドルの上昇を受け、資金の逃避先として選好されていた金がNY先物市場で下落し原油などの商品価格も、軒並下落する展開となりました。米ドル高を背景とした商品価格の下落により加ドルや豪ドルなど資源国通貨が対米ドルで下落。豪ドル/円の重しとなったようです。

豪ドル/円 日足チャート

豪ドル/円 週足チャート

本日の展望

豪ドル/円は昨日の上昇により、一目均衡表の雲の上限を上抜く動きとなっています。 今後は一目均衡表の上限を維持できるかを見極める場面にあるようです。

日足では雲の上限(先行スパン1)は81円台なかばレベルにまで緩やかに下落したのち、82円台後半に切り上がる推移となっています。このまま雲の上限の上抜けを維持した場合、下値リスクが一服し、同ラインでの下固めに移行する展開が予測されます。

一方、同ラインを下抜け定着となると11月26の急落同様の現象も予想され要注意。また、目先では「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されています。週足ベースでは雲の上限は73円方向は切り下がる動きとなっており上昇一巡後の再下落への可能性も懸念されます。

本日の主な指標

東京時間:07:30(豪)AiG建設業指数-11月 結果47.6 前回50.9
東京時間:09:30(豪)ANZ求人広告指数-11月 結果5.2% 前回1.7%減

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。