図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

雇用統計も大きな波乱なし(2015年8月17日(月)掲載分より)

金曜日は典型的な夏休み相場となり大きな動きなく終わりました。今週はいよいよ静かそうですね。あとは9月のFOMCまで一ヶ月。CME Group Fed watchは9月の利上げの可能性を45%としています。この期待値は過去数週間で0-50% aboveと大きく揺れています。9月に利上げがあるのか、はたまた12月かそれとも来年にずれ込むのか、現状では判断にまようところでしょう。

CFTC Commitments of Traders Report as of 11 Aug 2015(2015年8月17日(月)掲載分より)

出所:8月17日(月)の筆者のレポートより

投資家ロングは41トンから76トンへ増加。ショートカバーが入ってきています。とはいえまだまだロングは歴史的にみても非常に低いレベル。

中国が外貨準備とゴールド保有高を月次発表(2015年8月17日(月)掲載分より)

中国が外貨準備とゴールド保有高を月次発表するようになったようです。7月19日に6年ぶりにそのゴールド保有高の発表をしましたが、今月もまた19トン増えたと開示しました。1,658トンから1,677トンへ。ゴールドの安値を買っていたようです。IMF絡みだとは思いますが、こうやって中国もオープンされていくのですね。

人民銀行会見で不安を和らげ(2015年8月14日(金)掲載分より)

3日連続の人民元切り下げで、この3日間のトータルでの切り下げは4.6%となりました。人民銀行は輸出を助け、不安定な株式市場を安定させるためとしており、一時的な処置と強調し、あくまで人民元を支えるとの当局としてのコメントを昨日出し、それが不安を和らげ、ゴールドは若干の下げとなりました。ただ回復した1,100ドルを割り込むことはなく、overly shortだったマーケットの雰囲気は変わってきつつあります。

人民元二日連続の切り下げ(2015年8月13日(木)掲載分より)

中国の人民元切り下げが、先週の雇用統計の結果でも1,080ドルを割れなかったゴールドに対して始まっていたショート筋の買い戻しに拍車をかけることになりました。中国人民銀行は二日連続で合計3.5%もの人民元切り下げを行い、その結果アジア・欧州の株価が下落、ゴールドのショートカバーを促進させる結果となりました。人民銀行の動きは驚きでしたが、貴金属の上昇はやはり、あまりにも投資家のポジションがショートに傾いていたことが最大の要因であると言えるでしょう。来るべきして来た動きだと思います。現在レンジの上限あたりまで戻ってきていますが、1,130ドルを超えると一段と大きなショートカバーが出る可能性があります。円建てでもゴールドは4,500円直前、プラチナは4,000円まで戻してきました。また一日遅れてパラジウムも大きく上昇しました。

人民元切り下げ、通貨安競争再び?(2015年8月12日(水)掲載分より)

午前中に中国の人民元の大幅な切り下げが発表され、マーケットにショックが広がりました。営業日ごとに人民銀行が設定する人民元の中心レートを1.9%引き下げ、これにより、1994年に公定レートと実勢レートの一本化をして以来最大の一日の下げ幅となりました。中国経済の景気減速への歯止めと、金融システムの「自由化」への大きなステップであり、これまでの人民銀行による中心レート設定から市場ベースへの移行がより大きく進むことが考えられます。

このニュースを受けて、アジアでのゴールドは前日の上げからの利食い売りが一転、買い戻しが入りましたが、Shanghai Gold Exchange(SGE)での出来高が急増、中国の買いが相場を押し上げたと思われます。その後は欧州・米国の株価が大きく下落、新興国通貨も下落しましたが、ゴールドは欧州時間に一時1,120ドル近くまで上昇しましたが、その後は利食いも入り、1,109ドル前後でニューヨークは終わりました。

残念なのはPGM。新興国通貨安(特に南アランド)の影響か、パラジウムは一時623ドルまで上昇のあと、600ドルまで戻して終わりました。プラチナも一時ひさしぶりに1,000ドルを超えましたが、ニューヨークでは売り戻されて986ドルで引けました。南アランドは一時12.82までドルに対して弱含み、8/5に付けた史上最安値に並びました。

ショートカバー始まる(2015年8月11日(火)掲載分より)

ようやく、ショート過ぎるマーケットにショートカバーの動きが入ってきました。このところ、弱気筋の期待に反してゴールドは底堅く、逆にディップ(押し目)では買い(実需の新規買いと投機筋のショートカバー)が目立っており、弱気筋も相当じれてきていたはずです。

金曜日の雇用統計時にも1,080ドルを割り込むことはなく、逆に引けにかけて上昇したということから、ショートカバーの雰囲気は生まれており、そのまま月曜日アジアでも同じく買いが優勢となりました。Happy to be shortであった連中も少しやばいかなという雰囲気になってきたものと思われます。

東京時間土曜日早朝に発表されたCommitments of Tradersレポートも6週間ぶりに、ファンドのロングポジションが増えました。

昨日の上昇で一番目立ったのがPGMでその中でもプラチナでした。やはりあまりに売ら過ぎであったのでしょう。ようやく少し是正が入ってきたようです。