図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

ギリシャと上海に注目(2015年7月13日(月)掲載分より)

さて週末。ギリシャの提案に対して、EU首脳は反緊縮の原則を曲げるか、それともユーロ圏を離脱するかの二者択一を迫りました。なんらかの形で合意ができるのかとも思いましたが、やはりギリシャへの不信感は総簡単にはぬぐえないようです。今週もギリシャをめぐる状況は二転三転しそうです。とりあえずゴールド、ユーロとも先週の引けとそれほど変わらないレベルでオープンしています。

もう一方の注目はやっぱり上海。先週木曜日・金曜日と大きく戻しましたが、半分の銘柄取引中止、そして「売るな」という政府の強い指導、そりゃあ上がるしかないですわ。でもそれがいつまで続くのか、力ずくで押し通してしまうのか、今日も上海総合から目が離せませんね。

CFTC Commitments of Traders Report as of 07 Jul 2015(2015年7月13日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」7月13日掲載分より

投資家ロングは242トンから165トンへ減少。昨年11月以来のレベル。当時の価格レベルは1,156ドルで現在と全く同じ。そしてそれがゴールドの底値となっています。これもまたゴールドの底値がこのあたりにあるという根拠の一つになります。

上海株価と乱高下(2015年7月10日(金)掲載分より)

上海株価をめぐってまさに乱高下のマーケットでした。下げて始まって上がって終わって。日経平均も上海総合に追随する形で622円安から117円高というおっとろしいボラでした。メタルも上海株が上昇傾向を強めたことにより午後に入って急騰。昨日の下げを取り戻すような勢いの買いでした。しかしその上げもNYでまた若干下がって戻ってきました。ゴールドはこの乱高下の中でも、大きくは値を崩しません。一昨日のsell everything の中でも、他のメタルが年初来安値(プラチナなんて6年ぶりの安値!)まで下がっているのにもかかわらず、ゴールドは全然下がりません。ずっと買いたり言ったりしていますが、ゴールドはもはや底を打ったのでは?と思います。これだけの環境で下がらないというのは逆にとっても底堅いと思います。

今日も再び上海株に注目ですね。とりあえず昨日の上げにはホッとしましたが、大部分の株の取引が中止されていること、そして参加者の8割が個人投資家であることを考えるとまだまだ油断できないと思います。そしてギリシャの政府提案に対するEUの反応も午後出てくるであろうと思われます。また乱高下となってもおかしくないかと。PGMはやはりゴールドにくらべると頭が重たいですね。こちらも戻るにはまだまだ時間がかかりそう。下がったところで拾っていく、ですな。

Selling Climax!(2015年7月9日(木)掲載分より)

昨日は上海株の急落からリスクオフに動きになり、商品も急落の午後となりました。まさにリスクオフ sell everything の展開でした。日経平均は-3.14%、上海総合は-5.90%、香港ハンセンは-5.84%と軒並み大きな下落。貴金属ではPGMがもっとも下げて3%近くまで下落しました。プラチナは1,010ドル、パラジウムは630ドルとプラチナは2009年以来、パラジウムは2013年以来の安値にまで売り込まれました。久々のパニック売り。しかしこの売りのクライマックスは東京時間夕方でした。欧米では逆に売られすぎからの買戻しが入りました。ゴールドは1,147ドルまで下げたあと、1,165ドルまで戻し、NYの終わりは1,157ドル。とりあえず落ち着きは取り戻した様子です。

今日もまた上海株の動きに注目が集まりますね。下のチャートは上海総合株価指数の過去5年の動きです。昨年の半ば辺りから大きく上昇を初め、今年に入ってからさらに勢いがついていました。そしてこの下落。それでもまだ年初よりも高いレベルにあります。

ギリシャの状況はまだ結論までに2-3日かかりそう。とりあえず昨日のリスクオフの売りで商品に関しては垢抜けしたのではないかと思います。アジアの株は大きく下落、でも欧州は上昇、NYは下落と場所によりさまざまな様相でしたが、今日の上海株が下げ止まるのか、それともまだまだ売りが出るのかによって、さらにリスクオフの動きが続くのか、もしくは冷静になって関係ないのに売られているアセットが買い戻されるのかが決まるのでしょう。

PGMは売られすぎ。個人投資家はレバレッジかけない方法でロング積み増しがいいですね。Buy and forget。きっと1,000ドルのプラチナは宝物になりますよ。

コモディティが売られる(2015年7月8日(水)掲載分より)

ゴールドは過去一年の底値圏に近づいてきました。ギリシャと債権団との交渉が始まりましたが、具体的な提案がギリシャから無い中、商品全体が大きく売られました。(これを書いている今、ギリシャ側からの提案がユーロ側に提出されたというニュースが入っていますが。)ゴールドは1,147ドル近辺まで下げてから1,155ドルまで戻して終わりました。今年の安値は3月につけた1,140ドル近辺なのでとりあえずは、まだ底は破れてないのですが、限りなく近づいています。このレベル、もっというなら昨年の11月の1,132ドルというのを破れるかどうかがポイントだと思います。ここを破るとストップの売りが大量に出てくる可能性があり、ゴールドの長期的な動きにも影響を与えることになりそうです。僕は破らないと思っていますが。逆に今週マネーが入っているには米国債とドイツ国債。ゴールドはもはやsafe havenではない?

PGMはさらなる売りに(2015年7月8日(水)掲載分より)

昨日は商品全体が売られましたが、中でも目立ったのは銅とPGMです。銅は4.5%と大きく下落。これは上海株の下落の影響が大きいか。ギリシャ危機でもsafe haven的な買いが入らなかったということ、そして中国経済の先行きに対する投資家の不安がコモディティから資金を引き上げ、米国債にお金を向けるということになっているようです。プラチナは一時1,030ドルを割り込み、パラジウムは640ドル台までありました。どうみても売られ過ぎだと思いますが、簡単に戻るような状況ではなく(ランドは12.46! 歴史的安値にまた近づいています。)、おそらくNymexの投資家ポジションはロングがみんな逃げ出し、限りなくゼロに近づいてきているのではないでしょうか。個人投資家としては、やはり現物を買い下がりたいところ、特にプラチナが個人的ターゲットとしていた4,200円を大きく割り込み、4,070円台。ひょっとしたら3,000円台もありえるかもと思われるレベルまで下がってきました。

EU vs Greece(2015年7月7日(火)掲載分より)

ギリシャの国民投票のあと一番最初に始まったのがアジアのマーケットでした。金曜日の最終マーケット(NYが休みだったためロンドン)から大きくギャップを開けて、ユーロは1.10割れから始まり、ゴールドは1,174ドルから始まりました。しかし両方ともそれがユーロの安値、ゴールドの高値で、アジア時間帯はゴールドはだらだらと下がり続け、ギリシャのNO投票はもはや織り込み済みとなっていました。ニューヨークでは引けにまた高値の1,174ドルまで上昇しましたが、その後1,170ドルで一日を終えました。

株式市場は日経が2%、ヨーロッパも2%前後の下落。NYはほとんど動きない状態で、ギリシャ国民投票によるパニックというのは金融市場全体でみてもほとんどありませんでした。

ギリシャの国債(10年物)が14%から17%まで利回り上昇(価格が下落)、ポルトガルが2.9%から3.1%に上がった程度で、イタリア、スペインはほぼ変わらずでした。とりあえずギリシャ一国の問題として封じこまれています。今日明日でギリシャから意味のある提案が出るのか、それに対してEUがどういう対応をするのかが焦点ですね。

一方、ギリシャのNo voteを受けて、機能はプラチナ・パラジウムが大きく下げました。パラジウムは行って来いでほぼ戻しましたが、プラチナの戻りが半分だけでいまだ4,200円レベル。4,200円割れはいいターゲットレベルとしていたので、また一つ拾い場所がきたかなと思います。ゴールドは4,500円割れを待ちたい。

CFTC Commitments of Traders Report as of 30 Jun 2015(2015年7月7日(火)掲載分より)

図3.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」7月7日掲載分より