図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

PGM/Silverの頭重し(2015年6月15日(月)掲載分より)

先週は黒田発言での円高以外は動きに乏しい一週間でした。ゴールドは前週の雇用統計での下げは一瞬のものであり、またじわじわと上昇ただ既存レンジの下限近く1,180ドル近辺での小動きに終始しました。ドルも堅調、米長期金利は高止まり、ギリシャ問題も少なくとも小康状態であるため、ゴールドを積極的に買う理由はないようです。まだレンジは続きそうです。

ゴールドとシルバーのチャートを一緒にすると明らかに先週はシルバーの上昇が鈍かったことがわかります。Gold/Silver Ratioも70から74近くまで大きく上昇。またシルバーの割安感が増しました。

一方PGMは弱いですね。プラチナの1,100ドル割れ、パラジウムの750ドル割れはバーゲンだと思いますが、焦って飛びつく必要もないようです。ランド安が続いておりPGMにとっては大きな重しになっています。

CFTC Commitments of Traders Report as of 9 Jun 2015(2015年6月15日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」6月15日掲載分より

投資家ロングは360トンから260トンへ100トンのロングポジション減少。雇用統計の結果ロングからの売りが出たもよう。

減少が続くGold ETF、リーマンショック前のレベルに(2015年6月12日(金)掲載分より)

ETFからの流出が続いています。最大のSPDRは現在704トンと700トン割れ目前。このレベルは2008年9月の以来の低レベルでまさにリーマンショックが起きたその月です。それ以来買われたゴールドがすべて売られたということで、これは象徴的なことだと言えると思います。

東京ゴールドスポット100、建玉が5万枚超え(2015年6月12日(金)掲載分より)

5/7の上々以来順調に建玉が増え続け一昨日初めて5万枚を超えました。順調な成長が素晴らしいです。しかし昨日今日ともっと気になったのは、Loco London Spot gold in yenとの値差の変化です。ずっとスポット100の方が13-15円くらい安い状態(ディスカウント)が続いていました。マーケットメーカーをしている連中がどうも先限の価格との裁定取引をていることで、先物の価格がそのままスポット100に反映されていたということと、やはり個人投資家が弱気でショートから入っているという状況もあるのでしょう。しかしここ二日間の円高で円建て価格が下がったことにより、利食いの買い?が入ったのでしょうか、このディスカウント幅が狭くなり6-7円となっています。これは健全な証拠。安くなる一方であったらどうしようという不安がありましたが、とりあえず一安心。

黒田発言で円高、メタル高(2015年6月11日(木)掲載分より)

昨日はアジアの午後、黒田日銀総裁の発言「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実。」「ここからさらに円安はありそうにない。」というのが伝えられ、一挙にドル安円高となりました。(13時過ぎ)124.50から一挙に123円割れまでドル急落となりました。ゴールドはそれを受けて、1,175ドルから1,180ドルまでジャンプ、しかし円高の勢いに較べるとわずかなもので、円建てゴールドは40円からの急落となりました。この円高は基本的には大きくもどすことなく欧米の時間帯も続き、今朝は122.70前後までの円高が続いています。ゴールドはこのドル安とギリシャ情勢の不透明さからしっかりで、一時1,192ドルまで上昇しました。ニューヨーク終わりは1,186ドル近辺でした。シルバー、プラチナ、パラジウムもゴールドに従って上昇。これにより、やはりレンジの下値が破れなかったことがまたほぼ確定ですね。ベアにとってもブルにとっても厳しいレンジマーケット。根性決めてレンジで取引している人が一番勝ってますね。

Pd750ドル割れ、Gold動意薄(2015年6月10日(水)掲載分より)

ゴールドは小動きに終始しました。アジアでは1,174ドルで始まりじわじわ上昇。その後は下がらずに1,175ドルを下値にニューヨークでは1,183ドルまで上昇した後、1,177ドル近辺で引けといいうとても静かなマーケットとなりました。特に材料もなく仕方なし。ドル建ても円建ても変わらず。

一方パラジウムが750ドルを割り込みました。ここは長期的に拾いどころ。ロシアの在庫からの新たな供給が、供給不足を解消するのではないかという想像からパラジウムが売られているとの話。そして最大の自動車売上の中国経済のスローダウンがきいているようです。でもこのまま下がり続けるとは思えず、この辺りは仕込みどこでは。

ゴールド動意薄、ドル安にも反応せず(2015年6月9日(火)掲載分より)

金曜日の雇用統計の結果も結局ゴールドは大崩しませんでした。安定してますね。ただ昨日はドルがずいぶんと下落した割にはゴールドはさほど上がらずで、ドルが上がっても下がってもあまりゴールドが動いていません。昨日からの動きとしては、円安で上がっていた円建てゴールドが円高になった分下がったということです。強すぎるドルに対してオバマ大統領が心配しているというニュースでドルが売られたようです。ホワイトハウスは後で否定していますが。やっぱりちょっと動きそうにないですね。