【米ドル/円 1995年7月以来、約14年4ヵ月ぶりに86円台の円高を示現】

昨日までの動向

米ドル/円は大幅続落。昨日、1995年7月以来14年4カ月ぶりとなる86円台まで下げる展開となりました。

米連邦準備制度理事会(FRB)が24日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨をきっかけに、米国の景気回復には時間がかかるとの見方が強まり、米ドルは26日、東京市場においても主要通貨に対して全面安の展開となりました。

東京市場後半の取引で米ドル/円は一段安。1月21日につけたリーマン・ショック後の最安値(年初来安値)87.10-15レベルを突破すると海外ファンドなど短期筋や銀行ディーラーが損失確定の円買い・米ドル売りを膨らませ断続的に米ドル売りを誘発するストップロス注文を巻き込み、12:30過ぎには一時86.45-50レベルにまで急落1995年7月以来、約14年4ヵ月ぶりに86円台の円高を示現しました。

その後、アジアや米ファンド勢などの短期投機筋が一段のストップハンティング(※ストップロス注文が集中するテクニカルポイントを狙って買い進んでいく、あるいは売り進んでいく行為)による米ドル売りを仕掛けたことにより、86円台なかばレベルのストップロス注文を巻き込み、14:00過ぎには86.25-30レベルにまで下げ幅を拡大する展開となりました。

なお、85円台に向けてはノックアウト・オプション(※オプションの原資産の価格が、オプションの期間中に一度でも所定の価格に達すると権利が消滅するオプションのこと。)が断続的に観測されており、下攻め一巡後はオプション絡みの米ドル防戦買い(※例:オプションの売り手が権利消滅を狙って買い進んでいく、あるいは売り進んでいく行為を防衛する動き)に一旦はサポートされ86円台なかばレベルに戻す値動きとなりました。

欧米市場に入り欧州通貨が急落。ドバイ政府系持株会社である「ドバイ・ワールド」が事業再構築に向けた対応として、5兆円規模の債務支払い繰り延べを債権者に要請。これを受け、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は26日、ドバイを拠点とする銀行4行の信用格付けを格下げ方向でクレジットウォッチ(※格下げを視野)に指定したと発表しました。

欧州系銀行が大量の債権を保有している「ドバイ・ワールド」のデフォルト・リスクから欧州株式市場は金融株を中心に軒並み下落。ダウ欧州600指数の他、FT100種総合株価指数など軒並み3%超の下落となったほか、その他主要国の銀行株も3-4%台の大幅安となりました。これを受け、英ポンドやユーロなどの欧州通貨が対円、対ドルで下落。ユーロは対ドルで1.50台を割り込む動きとなりました。なお、米ドル/円はリスク回避の米ドル買い戻しと クロス円での円買いに挟まれ86円台なかばレベルでのもみ合いとなりました。

米株式市場は感謝祭による休場でその波及の難を逃れたものの、市場では、欧州株式市場の崩れがこの後のアジア市場にどう影響を及ぼすのか、懸念が広がっているもよう。なお、本日オセアニア市場では米ドル/円は急激に値を下げ、一時84台に突入する動きも観測されました。

本日の展望

1月21日の年初来安値87.10-15レベルを下抜くと下げ幅を加速、14年ぶりの安値圏まで下落する動きとなっています。ここからの下値目途は見い出しにくく、1995年7月の安値84.50-55レベルや1995年6月の安値83.35-40レベルなどかなり過去にさかのぼり下値を確認する必要がありそうです。大局的なリスクは依然下方向であることに変わりはないものの、84円台を示現したことなどから、円高のクライマックスをにらんだ反発上昇のリスクにも注意を払いたい場面です。上値ターゲットとして一目均衡表の転換線が位置する87.05-10レベルや基準線が位置する88.55-50レベルなどがあげられます。

本日の主な指標

米国の主な経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 大幅安、強弱の分岐点80.00レベルを下抜く動きに】

昨日までの動向

豪ドル/円は2円を超える長大陰線引けとなりました。
東京市場で、豪ドル/円は再下落。
豪州7-9月期民間設備投資が前期比3.9%減をなり、事前予想の1.0%増を下回ったことで過度な景気楽観論が後退。また、米ドル/円の下落がクロス円全般に波及し東京市場終盤で豪ドル/円は80円台を割り込む動きとなりました。

欧米市場に入り、豪ドル/円は引き続き軟調に推移。
ドバイショックにより欧州株価が大幅安となり投資家のリスク回避の動きからユーロや英ポンドが主要通貨に対して大きく下げる展開となり、相場の連動性の高い豪ドルもつれ安となりました。円高の進行もあり、昨日対円では78円台に突入、80円台を大きく割り込む値動きとなりました。

本日の展望

ここ数日サポートとして寄与してきた一目均衡表の雲を割り込むと下げ幅を加速。2008年10月に記録した55円台前半レベルからの下げ幅の約半値戻しに該当する80.00円レベルも下抜き、本日オセアニア市場では一時76.45-50レベルにまで急落する動きとなっています。次の下値目途として10月2日の安値76.30-35レベルがあげられます。

豪ドル/円の続落リスクには当然要注意ながら、短期的には売られ過ぎ状態にあり調整的な反発上昇にも注意を払いたい場面です。上値では強弱の分岐点として寄与する80.00レベルを早期に回復できるかが焦点となりそうです。

本日の主な指標

豪州の主な経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。