図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

金曜日なぞの急落(2015年4月27日(月)掲載分より)

金曜日にとうとうレンジの下限を割り込んで急落しました。レンジ底1,185ドル近辺にあったストップがヒットされてストップの売りが出て下がった、そんな感じの下げです。状況的にはゴールドが下げるような材料は見つかりません。強いて上げればNASDAQが最高値を更新していること、ギリシャの債務問題が先送りになったことなどでしょうか。この日発表された耐久消費財受注は7ヶ月連続のマイナスでドル売り(ドル安)。本来ならばゴールドは買われるべきところのはずなんですが。円高とメタル安のダブルパンチで円建てのメタルも大きく下げました。テクニカルだけの売りで、これにfollow through の売りがなければ今日は訂正されるのではないでしょうか?円建て4,500円割れのゴールド、4,300円割れのプラチナは拾いどころでは?

CFTC Commitments of Traders Report as of 22 Apr 2015(4月27日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」4月27日掲載分より

投資家ロングは354トンから360トンと6トンのロングが増加。レンジ取引を反映してポジションは小動き。

レンジは破れず昨日は上昇(2015年4月24日(木)掲載分より)

やはりレンジは破れず、今度は一昨日下げた分取り戻しています。材料難でどちらかに抜けるような状況ではなく、米国、欧州、中国の経済指標がいまいちのものばかりだったこともあり、昨日は一転買いが強くなったようです。また4/21のインドのAkshaya Tritiyaではゴールドの売上が15%上がったというレポートが入っています。来週月火とインド(レストラン)にいく予定なので詳しい話を聞いてこようと思います。笑。ギリシャの状況はまだまだ時間がかかりそうな状況。急激に現在のStandstillな状況が変わりそうにないです。債権団と対立しながら政府の手元資金が1日ごとに減少している状態。来週火曜日水曜日28-29日はFOMC。そしてゴールデンウイークに突入ですね。ゴールデンウイーク中に大きく動かれると日本の投資家にとってはやっかいな話になってしまいます。

LBMA Gold price PMで大きな売り(2015年4月23日(木)掲載分より)

ずっとレンジが続いていると書いていましたが、そのレンジの下辺にきました。1,185-1,225の1,185ドルが昨日の安値となりました。特にニュースがあったわけではないようですが、PM LBMA Gold Price(以前のPM Fixing)で大きな売りが入り、一挙に10ドル下がりました。その実況レポートによると、1,197ドルでスタートしたところ売りが122,950 oz に対して買いは40,000 ozと大きな売りバランスが出て、8ラウンド(8回目の競り値の下げ)でも1,191.25ドルで売りが149,090 ozの売り超。ICEのルールに寄れば、価格を決める最大の売り買いバランスは20,000 ozであり、これを参加しているDirect Participantsの数で割って各社が強制的に負担するということになっています。12ラウンドで価格は1,189.5ドルで決定。売りが105,940 oz、買いが100,860 ozでした。これ以降NYで1,185ドルまで下がったわけですがとりあえずそこはサポートされ、まだトレンドが変わったという雰囲気にはなっていせん。他のメタルもゴールドにつれ安。パラジウムはまた買いターゲットである750ドルに近づいてきました。

中国のゴールド保有高に関する報道(2015年4月23日(木)掲載分より)

中国のゴールド保有高は2009年4月の発表された1,054トンから一度も更新されていませんが、Bloombergがそれ以来の輸入量、国内生 産量、そして国内での宝飾需要をもとに計算したところでは現在の中国のゴールド保有量は3,510トンとなり、8,133.5トンの米国に次ぐレベルになっているのではないかと言っています。この中国のゴールド保有高が近い時期に更新されるかもしれないという見方が出てきています。IMFのSDRを構成する通貨に人民元を加えたい中国指導部が、IMF総会の前の来月かもしくは10月にも発表する可能性があるのではということです。有り得ない話ではないですね。

週刊新潮のとんでもない記事(2015年4月23日(木)掲載分より)

昨日週刊朝日に「いまこそ金投資」という記事で登場したと書きましたが、偶然なんだかどうだか、週刊新潮にもゴールドの記事が出ていました。こちらは信じられない誤った内容。「先物なら安く手に入る「金地金」のカラクリ」というタイトルで1kg barの税込店頭価格と消費税抜きの先物価格を比べて、先物で買って現物を引いたほうが40万円(ちょうど消費税分)もお得だと書いています。意図的だとしたら言語道断、ミスだとしたらこれを書いた記者レベル低すぎ。編集部もちゃんとチェックもしないのでしょうかね。まるで悪徳業者の商法の宣伝のように聞こえてしまいます。週刊新潮情けなし。

レンジ取引変わらず(2015年4月22日(水)掲載分より)

このところ書いてるようにほんとにレンジの中ですね。昨日は1,200ドルを割ったと思ったら今日はまた1,200ドル越え。ドルは相変わらずしっかりです。まだしばらくこれは続きそうですね。明日のEU首脳会議と24日の財務相会合で、5月の前半二週間に予定されているギリシャのIMFへの10億ユーロ返済を含め今後の成り行きに注目、来週はまたFOMCが28-29に予定されています。今日はまた小動きになりそうです。

NY連銀総裁発言で株高・メタル安(2015年4月21日(火)掲載分より)

株価の上昇、ドル上昇、そしてNY連銀理事のWilliam Dudley総裁が年内の利上げに楽観的な発言をしたことから、ゴールドは下落、また1,200ドルを割り込みました。相変わらずのレンジの中での上げ下げがつづいているようです。総裁は「極端な緩和政策を少しだけ、そうでなくするだけ」という発言で、これで株が上昇、ゴールドは売られることになり、ほかのメタルも売られました。相変わらずFRBの金利政策で動くのにちょっとあきれてしまいますが、まあそれがマーケットだから仕方ありません。でもまだまだレンジ内で取引は続きそうですね。